休みの日(12/15)
姫の結婚相手、
姫の国と友好関係にある国の王子であり、姫とは幼馴染であり、姫との関係も良好であった。
「だから結婚も何のごたごたもなくできたんだよな?蛇」
「そうだね」
「俺たち、ちゃんと相思相愛だったよな?蛇」
「そうだね」
「姫が国王の補佐を務めて激務で、少ない休日もそなたたちの後を追ってばかりで俺と過ごす時間が少なくても心と心が通じ合っているから問題ないんだよな?蛇」
「そうだね」
「毎年毎年俺がアドベントカレンダーの中に入れないのも、姫が俺を嫌っているからではなくて、何か不具合が起きているからだよな?蛇」
「そうだね」
「うう。姫が。うう。姫がまさか俺との結婚を。うう。後悔して。まさか。あの。本当は。本当は、隼士と結婚したくて。隼士しかアドベントカレンダーの中に入れないのは、そういう理由ではないよな?蛇」
「隼士しか入れないわけじゃないけど、君が入れないのは確かだね」
「ぐずっ」
「まあ、そう落ち込まないで。確かに姫は君にあまり構ってないけど、嫌っているわけではないよ」
「蛇」
「ただ」
「ただ?」
「君より好きな人が居てもおかしくはないよね」
「………く、国に帰る。そう。国に帰らなければ。俺も国王の仕事を手伝わなければならないのだ」
「うん。姫と肩を並べられる王子であり続けていてね」
「言われるまでもない」
「うん。そうだね」
「………蛇。伝言を頼む。隼士に。俺は。ぐずっ。俺は。姫の幸せを。ぐずっ。願ってるって」
「うん。知っているよ」
「ぐずっ。じゃあな。また来る」
「うん。じゃあまた」
(2022.12.15)
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