第4話 なるほど、これが悪役か
朝が来た。この地域は雨が少ないようで、今日もカラッとした晴天。いつも通り、私とエルさんは木剣で
素振りを水平近くで止めるのは、前世の剣道や剣術も同様である。理由は色々とあるのだろうけど、下まで振り下ろしたら自分の足を切ってしまう危険性があるからだろうか。地面に剣を叩きつけたら折れるかも知れないし。
いつもなら
「そんな顔をするな。クロが試合をする訳じゃないだろう」
「私が試合に勝てば、クロとこれまで通りの生活が続く。だが、その可能性は低い。私が居なくなったら、この集落でクロは孤立するかも知れない。だから、私が試合に負けたら、クロは森を抜けて
「人里って……つまり人間族が居る所?」
「ああ、人口も多くて
エルさんには
「あたし達の
ここまで訪れてきた、別集落の
「何が退屈しのぎだ。お前の
エルさんが怒りを込めて返答した。にやりと笑って、向こうの
「
「それを身勝手な理屈だと言っている。
「現実だよ、現実。強い者が弱い者から奪うのは自然の
私は
考えたくないが、この
「それに、だ。あたしだってリスクを
「……だが、お前が負けた事は無い。そうだったな」
赤髪の長に、
「ああ、森の種族は平和ボケした奴らばかりさ。男だろうが、あたしに
私は集落の人達と一緒に、後方で
「あの黒髪のチビが、お前のお気に入りか。ああいうのが
「あの子は関係ない。お前は私に用があるんだろ」
「ああ、さっさと試合を始めようぜ。心配しなくても、あんなガキを
エルさん達が集落の中央にある、ちょっとした広場の方へと移動していく。こんな時でもエルさんは、私の事を守ってくれているのだ。私は
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