第9話 麦踏み
「変わったことをされておられるとか、リースス」
「同じことを続けていても変化は訪れないでしょう、カッサーロ」
「星も持たぬ人間に何ごとができようものか」
「あぷろーちを変える、と言うのですよ」
「儂には理解できんことですな」
「麦踏みと言えばわかっていただけます? 折れてから立ち直る方が面白く育つものでしょう」
「それで状況が変わるとお思いか」
「あなたの提言で多くの星を与えた時がありましたね。ただ争いが増えたばかりでしたが」
「わかっておりますわい。忌々しいダンジョン進駐についてはリースス、貴方の差配にお任せしておる」
「立場のある者に星を与えても私財を守ることばかりに終始。持たざる者が星を得ても真の目的にはいまだ及ばず」
「千年と過ぎて今の状況。変化を望まれるお気持ちは察する」
「久方ぶりに溢れた悪夢の入り口まで辿り着く者が出れば、カッサーロ。わたくしの勝ちということでよろしい?」
「掃除当番で十分じゃろうが。いらぬ口を出して悪かったわい」
◆ ◇ ◆
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