第18話 強撃
10階よりも下ではゴブリンが出なくなった。代わりにソード君が出るようになった。スライム君は元々の出現率が低かったけど、たまに出てくる。
すでにソード君に会ってから二週間以上経って、外の季節は春の陽気が出てきてる。なのに現在レベル26で12階だ。
ソード君は金もSPもゴブリンに比べて多いが、数が多い。
さらにバットって言うこうもり君が出るようになって進みが悪い。ちなみにタケタクはウハウハの様だ。
鑑定も10になって耐久が見えるようになってからは、そのままだし。攻撃察知も12になったし、防御力上昇も40だ。
ソード君は鎧を着ているせいなのか小太刀の消耗が激しい。たまに見ると結構耐久が減ってる。まあ今すぐに折れるような感じではないから大丈夫だけど・・・
金はすでに30万を超えてるしポーションは1500くらい持ってる。
ソード君も変わらず落とすのがポーションなのだ。ちなみにアーチャーは二回弓を落としているからカズマの予備の弓は確保済みだ。
ソード君は未だに剣を落とさない。
マジックは結構、火種や水種を落とすがポーションの方が割が良いってどう言う事?単価が5分の1ってレアな方がポーションなのか?
宝箱の出現率がグッと減ったが中身も変わった。鋼の矢が結構な確率で出る。でも1本って・・・・
良かったのは防刃のシャツ。皮のジャケットの下に着てるけど、防刃耐性があるらしい。もっとも未だ効果の程は不明だ。ちなみに二着出た。
「モモちゃん。そろそろ町にスキル買いに行かない?スキルのレベルが上がってきてさ、まだMAXにならないけど増やしても良いかなと思ってさ。」
「そうだね。俺も増やすかな。でも、タケタクが何て言うかな?」
「とりあえず顔をたてて技は一つにして、ステータスと何か一つで3個までって事で」
「まあ見てから決めようか。」
そんな訳で町に来ています。今回もいつもの通りにまばらな人影。
「スキルって色々有るんだ」前回も前々回もタケが急がせるからノンビリ見てるヒマが無かった。
「実は技は決めてるんだよね。火矢で魔法と弓矢の合成技」
「良いな。魔法と剣か。」カッコいいな燃える剣撃。
「剣と魔法を合わせると耐久が一気に無くなるらしいよ」
「なんで?不公平じゃん。矢は良くて剣はダメなの?」
「だって矢は一応は使い捨てじゃん」
「なら投げ斧が燃えれば良いんだ」
「でも投げ斧って2万もするって、この前嘆いてたじゃん」
そう、先日初代・投げ斧はお亡くなりになっていたのだ。アーチャーに投げたのが壁に刺さって粉々に砂になるように消えていったのだ。とてつもなく不自然な消え方では有ったが消えてしまったのだ。
そう、俺達前衛は安い消耗品を使わない代わりに、武器にしても防具にしても高いのだ。それこそ1000万有っても足りないくらいに。壊れると貯めた金がイッキだ。
「モモちゃん。これが良いんじゃない?」
「強撃って何?」
「説明文を読んでごらんよ」
「使用中は攻撃力を上げる。武器の強度を上げる。耐久の減りを遅くする。」
「あ。買った。モモちゃん早くない決めるの?読んだ瞬間買うのは。」
「カズマ。昔の人は言ったぞ。善は急げって。」
「善では無いと思うよ。まあ良いけど」
買ってから分かったのは使用するにはレベル1にする必要が有る事とその為には1万SP必要と言う事。
なので他にも買おうと思ったけど攻撃のステータススキルだけ買ってダンジョンに戻る事にした。
ちなみにカズマは火矢と魔力のステータススキルを買った。男の事だし、どうでも良い事だったな。
サクサク倒す、基本的に相手にならない。でも、気を抜いてると矢が刺さる。ダメージは大したこと無いけど痛い。だから真剣にやる。
宝箱は出て来ないし、敵は弱いしレベルは上がらないし強撃は使えないし、ほとんど朝の稽古と変わらない気がしてくる。たまに来る矢を避けて魔法を避けてする位で、ソード君は一撃だし。ハツネさんに会ってないからテンションは低いままだし。
ようやく強撃が使える様になったのは、10日後だった。未だに12階に居る。
(強撃)心の中で唱える。
魔法を使う時のようにMPが剣に吸われていく。すごく弱いが吸われている。鑑定を掛けると。
小太刀 ジーク作 強撃中
攻撃力 20
鋭利度 C
耐久 8700
脇差に使われる刀。
特徴 小回りが利き。振り回しやすい。
おお。5000くらいの耐久が一気に上がった。
ハッキリと切った感じに違いは無い。何故なら一撃だからだ。
MPが0になるまでに解除しなくても2時間くらいは維持できる。MPを使い切っても俺自身はほとんど関係無いから、とりあえず実験して見た。
カズマの火矢はカッコいい。そして羨ましい。
マジックでもソードでも一撃だ。しかも、当ると大きく燃え上がって霧になっていく様が破壊力ありそうで羨ましい。
俺はただ切るだけだ。カズマの火矢に比べると地味だ。とても地味だ。すごく地味だ。
長剣を手に入れた
おお。剣がついについに手に入った。
「カズマ、カズマ。剣を落としたよ剣。長剣だって。安物だけどヤッター」
「安物のフレーズは要らないけど、良かったね。」
さっそく長剣に持ち替えて試し切り。
少し長くて使い易い。確かに取り回しが小太刀の方が良いけど気になるほどではない。むしろ小太刀よりも間合いが広くて楽になる。
ぶっちゃけ小太刀よりも具合が良い。切れ味については未だに実感が無いからどうでも良いし。
小太刀の方が高いし切れ味が今後必要になるかもしれないから長剣をメインに使おう。小太刀はムダじゃないぞ。あくまで取って置きだ。取って置き。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます