第11話 お外に行こう

 早速スキルをSPで成長させる。SPが5000くらい有る。


 防御力上昇は1000でレベルが上がるらしいが、攻撃察知は5000だよ。


 「モモ。とりあえず先に防御力を上げろ。防御力4に察知1で割り振っていくのがお勧めだ。」


 「了解」良く知らないから指示に従う。


 「カズマはどうする?」


 「命中と遠距離で半々にした。」


 「カズマのはレベル上がり辛いからな」


 買い物や用事が終わったら時間的に終了となった。


 今日も外でトレーニングでもしてるかなと思ったが、ザンザンと雪が降ってるし、外に出るのがイヤだな。


 遅い昼飯を食べながら考える。


 今日は一品にしておいた。買い物もしたし残金は18300円有るが、使い始めると一気に金が無くなるし刀も買いたいから我慢だ。


 暇なのでもう一度異界に行く事にした。


 せっかく町にいるし、町の外を探索しに出かける。


 町の出口はダンジョンの反対側に有った。木の棒が二本刺さっているだけだが、ここから先が外だとなんとなく分かる。


 町の外は茶色い道が曲がりくねりながら草原の中を進んでいく、その先に有る森の中に入っていっている様だ。


 とりあえず草原の道を歩き始める。


 少し町から離れると後ろから後頭部に何かが当たる感じがした、すぐにしゃがんだが間に合わず軽く当たった。ボールでも当たったように後頭部が痛い。


 すぐさま当たったで有ろうものを見ると、人間の頭くらいの大きさの蜂の様な奴が飛んでる。


 二回目の体当たり?蜂が刺す姿勢で突っ込んでくる。


 タイミングを合わせて剣を振る。攻撃察知はカウンターをするには持って来いのスキルだ。


 タイミングを合わせておいて瞬間的にあたる場所が分かる、少しだけずらしてそこを切る。かなり究極的なカウンターだ。 


 剣に当たった蜂は綺麗に切れてから黒い霧になった。


 攻撃察知は当たる場所が分かってから、避けるのも切るのも出来ない、そんな時間は無い。


 タイミングが合っていて瞬間的な微調整が何とかできる程度。


 それでも当たるのが分かれば、身構えたり受ける方向に逃げるだけでダメージは軽減される。 さっきの攻撃で受けたダメージは1%だ。不意打ちでこれなら有用なスキルだろう。


 よく辺りを見るとあっちこっちで、さっきのでかい蜂の様な奴が飛んでる。近くまで来ると向かってくるようで、意識していればさっきみたいな不意打ちは無いだろう。


 分かってさえいれば、余裕だ。タイミングを合わせるだけで簡単に倒せる。もしも群れで一斉に襲い掛かられる事でも有れば、危険だが単体で戦う分には楽勝だ。


 森に着くまでに20匹くらいの蜂を倒した。


 森に着くとイキナリゴブリンが3体現れた。いつも通りにやっていく。やはり楽勝。だけど、明らかにダンジョンのゴブリンよりも強い。動きが良い。


 ゴブアッタクも使ってきたし、近づくと動きを遅くして棍棒を振りかぶったり、二体が同時に戦えるように動いたりと、拙いながらも連携してる様に感じる。


 VRの奴らに比べれば雑魚とだけど、ダンジョンのゴブに比べるとかなり強い。


 それでも余裕だ。サクサクといつもよりも多少の手応えがあるゴブリンを片付けていく。


 外のゴブリンには強いのと弱いのが居るようだ。普通に戦っているとVRのゴブアッタクを仕掛けてくる奴が何体か居た。


 ダンジョンのゴブリンを倒しなれていると、こいつ等は予想外の一撃をもらいそうだ。

 

 胸に何かが刺さる。攻撃察知に合わせて体をずらすが、「ブシュ」と音が肩を中心に体に走る。カズマが使っている様な矢が肩に刺さった。刺さるとすぐに消えた。


 刃物で切れたような痛みが肩に響く、飛んできた方を見ると木の陰でゴブリンが弓を構えている。


 第二射が飛んでくる。身構えてさえ居れば簡単に避けれる。が、問題は攻撃が届かないって事だ。


 矢は一定の間隔を空けて飛んでくる。ゴブリンとの間に木が来るように動くと木の反対側に移動して撃ってくる。


 木の間を移動させている間に一気に距離を詰める。顔を出した。


 矢を構える合間にそのまま突っ込んで体当たりを食らわす。


 弓を握り締めたままゴブリンが吹っ飛ぶ。そのまま歩を止めず切り捨てる。次の瞬間、後ろから何かに殴られる。分かっていても成す術もなく殴られる。


 草の上を転がって叩かれた位置を見上げるとゴブリンが二体居た。片方は叩いた後と言った感じに構えている。背中が痛いが構う事無く踏み込んで切り捨てる。


 もう1体も続けざまに切り捨てる。


 勝った。ヤバイ他にも居るかも?周りを見回す。大丈夫だ。何も居ない。藪からすぐに街道に出て道端に座り込む。


 HPが78%なってスタミナが55%になってる。異界に来て初めて、まともにダメージを貰った。傷はVRと同様にすぐに消えた。


 肩は切れた様に痛いし背中は打撲な感じで痛い。格下の相手に殴られたムカツキがハンパ無い。


 ゴブリンの分際で誰を叩いた~~~って虐殺したい気分だ。でも、また殴られると思うと少し怖い。痛いのは誰だって嫌な物だろう?


 だって棍棒で叩かれるんだよ。普通に木の棒で、躊躇い無く人を叩く奴なんて怖すぎるでしょ。


 何よりも矢で撃たれたのが痛い。そして、怖い。狩猟されている動物気分だ。ブルブルだ。


 もしも2体居たらと考えると背中が寒くなる。VRでも何度も味わっているけど、この感じには慣れる事が有るのだろうか?それともこれでも慣れているのか?


 とりあえず警戒しながら町に向かう。やたらとゴブリンと会う気がする。さっきはこんなに居たか?


 町が遠い。歩いても歩いても森の終わりが見えない。(もしかして迷いの森?)そんな事は無い。ない筈だ。無いよね。


 それにしてもゴブリンだらけだ。バンバン切っているのに少し歩くとまた出てくる。


 行きと違って弓を持ってるのを警戒しているせいで、すげえ疲れる。


 やっと見えてきた。森を抜けるとほのぼのとした草原に出た。蜂が飛んでくるけど森の陰に隠れている訳では無いから、意識してさえ居れば囲まれる事も無い。


 弱い敵しか居ないとしても緊張する。弱くても攻撃食らえば痛いんだ。


 何とか町まで戻ってきた。


 今日はもう終わりにしよう。記録石を使う。


 目覚めると肩が痛い。すげえ寝覚めの悪い夢でも見てた気分がする。意識すると肩の痛みは消えてる。確かに起きた瞬間は痛かった気がしたんだが?気のせいかな?


 忘れる為に雪が降る中、少しだけ素振りをしよう。


 準備してドアを開けると超迷う。寒すぎでしょ。と思いながらもちょっとだけ素振りをして風呂に入って寝た。


 飯は朝でいいや。食欲無いし。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る