第10話 ようやく2階へ
ようやく二階に行けた。
記録石って実は結構たくさん持ってないと困った事になるようだ。
一回ダンジョンから出ると途中まで進んだところから始まるわけじゃなく、二階なら一階の階段を下りたところからしか来れないらしい。
もしも、記録石が無くなって次の階への階段が見つからないと、始めから探索しないとならないし、最後の一個になったら確実に記録石は使って出ないと出れなくなる。
連続で長時間異界に居ると警告がなるらしい。それも無視していると・・・・どうなるんでしょうか?よく分からないらしい。
まあ安全を取って記録石は持っていた方が良いらしい。
今のところ一日4時間くらいしか異界に行かないから味わったこと無いけど。
タケタクコンビは記録石が100個単位で持っているから無くなったら一個100円で売ってくれるらしい。さすがに相場の10倍は高いだろ。
カズマはタクからボッタクリ価格の記録石を買っていた。
なんでもカズマはもう4時間一人で異界に来てるらしい。なるほど見かけない訳だ。
俺はあまりにもゴブリンが弱いから、VRで強いゴブリンで勘を鈍らない様にしてる。
トレーニングしてる時間が増えてる気がするぞ。
タケタクは異界と朝の食堂意外では会ってない。何やってるんだろ?
「おー外だ」久しぶりに異界で外に出た。
すぐに町に行く。ダンジョンでの労働の成果で39,000円もの大金を得て小金持ちなのだ。早々にスキルの店に行こう。
「モモなに勝手にどっか行こうとしてるんだ。とりあえずこっちだ。」タクが呆れた顔で呼び止める。
この前来た道具屋さんに来た。今日はこの前と違って、広い道を歩いている人はまばらだ。そして、道具屋の中もあまり人が居ない。
とりあえず記録石を200個ほど買っておく。ポーションは一度も使ってないから補充はしない。
「モモちゃんアイテムボックスは買わないの?」何故かみんなが付いて来る。
「アイテムボックスって何?」沈黙が流れる。
「おいタケ。この前の買い物の時に何も教えなかったのか?」
「そうだった忘れてた。剣士にはすぐにでも必要なものじゃなかったから次回にまわしたんだった。ははははは」
「アイテムの取り出し方は分かるよなモモ」タクがいつに無く真面目な顔で言ってくる。
「うん。メニューからアイテム選んで使うアイテムを選択すると、意識した所に出てくるよね」うんうんとタクが頷く。
「アイテムボックスの中に入っているアイテムは頭の中で名前を呼ぶだけで使えるんだ。例えばこんな風に」火種を見せてくれる。でも、ハッキリ言って全く分からない。
アイテム欄から取り出しても自分にしか分からない。速さが違うって事?
「モモちゃん。矢を取り出すのに一回一回アイテム欄から出すよりも(矢)って念じれば、弓を引きながらでも取り出せるんだよ。つまり、連射が可能なんだよ。」なるほど、だからゴブリンを早く倒せるようになったのか。
「一番重要なのはポーションを入れておくことだ。攻撃を食らってもすぐに回復できるから、突然の強敵との戦いになった時には絶対必要だ。」
「それなのにタケは何考えてるんだ。もしあの時にモモが袋叩きに有ったら、どうするつもりだったんだ。」タクって何気にいい人なんだ。他人の事なんて気にしなさそうなのに。
「悪い悪い。まあそんなに怒るなよ。とりあえずアイテムの山分けするぞ。ポーションが1000本以上有るからとりあえず100本づつアイテムボックスに入れとけ。後は金に換えちまうから。」
そういうわけで今アイテムボックスを見ている。
「モモちゃん。俺はアイテムボックスの6個入る奴買うから、俺の持ってるアイテムボックス買わない?3個しか入らないけど」
「良いけど値引きしてくれるの?」
「3000円で良いよ」買うと5000円だから良いか友達を損させるのも悪いしね。
「でも、なんで15,000円にするの?普通にもう一個3個のアイテムボックス買えば6個入るじゃん。」
「アイテムボックスは指定しないといけないんだよ。二つ持ってもどっちか一つしか使えないから沢山入るのは高いんだよ。」だからなのか。
10個入るのは90000円もするのか。
アイテムボックス3が3000円でカズマから買いますか。とコマンドが出た。
はいを選んでアイテムを見るとアイテムボックスが入ってた。
早速ポーションを110個入れておく、3個ってのは3種類って事らしい。まあ矢が1本づつ入っててもイマイチだしな。
買い物を終えて道具屋を後にする。そして、<オハリ>って看板のある建物に来た。何の用があるんだろう?
道具屋と同じように外見よりも広い。何組かのパーティーが居る。
職員なのか?テーブルの前で一人で座っている人が居る。職員が6人居るらしい。空いてるのは一人だけで、他のテーブルは他のパーティーのリーダーぽい人と話をしている。
職員も女だし他のパーティーも女子のパーティーが居る。やはり女子が居る空間は華やかで良いもんだ。
一つだけ男女が同じパーティーが居る。あれ?サワヤカさんだ。
「あ。イツキさん。」タケが突然変な声を出した。かなり気持ち悪いぞ。
「やあ。タケミチ君久しぶりだね。タクミ君も」
「俺達はポーションが貯まったから売りに来たんですよ。イツキさんはどうされたんですか?」
「僕達は逆に買いに来たんだよポーション。後は情報かな」
「イツキ行くぞ」肩まで有る髪を紐でまとめた感じの気の強そうな美人が声を掛けた。
他のメンバーの女も美人だ。良いな~~サワヤカさん。
男3女3のパーティーだ。こっちは男4.羨ましい。
「じゃあ。また」と言ってサワヤカさんはさわやかに去っていった。
でも、他のメンバーは気取った感じで見下すような視線だった。少しむかついた。
「サヤカさんが見れるなんて今日はついてるな。先見偵察隊の面々がギルドに来てるタイミングなんてなかなか無いからな。」見下されて感動してるけど、頭大丈夫なのかタケミチ。
「先見偵察隊ってオハリで一番強いって噂の?」カズマは何か知ってるらしい。
「オハリで一番マーベラスに近いパーティーだよ。あと魔法の装備が手に入れば挑むんじゃないか?60階よりも下か外のダンジョンで探してるらしいからな。さすが200クラスだよな」タクの方も頭はダメらしい。
「クラスってレベルの事?」
「そうだよ。オハリでもトップクラスになるとレベル200を超えるんだぞ。」
「貴族ってレベル300なんじゃないの?」サワヤカさんが言ってた気がする?
「貴族の位を持つ人の事な。普通は300超えたら異界になんて来ねえよ。俺だって100超えたら結婚して村に戻るさ。」
「そういうもんなの?」弱く分からないけれど、知らなくても困らないから良いけど。
「こんな世界に永遠に居たいと思うのは異常者だよ。確かに異界に出入りしている限り老化はしないのは良いけど、何年も掛けて上げてきたレベルが殺されて1からなんてやってられないよ」タクは村に帰りたいらしい。
「売って来たぞ。全部で20000くらいだったから一人5000円だ。」
金を受け取って魔法屋に向かう。
「タケ兄もレベル100になったら村に帰るの?」
「ああ。結婚して帰るよ」
「コイツはハルナと結婚の約束してるんだぜ」
「そうなのハル姉と」
タケミチが耳まで赤くなってる。
「そのうちお前らも分かる様になるよ。」タクが大人な台詞を言ってる。
魔法屋では火種を50個と水種を20個を購入した。
水種はHPを回復させるらしい。
もっとも使い方で色々な魔法が使えるらしいが一番使えるのが回復らしい。まあ必要だね。
「モモに必要なスキルは防御力上昇と気配察知か攻撃察知くらいだな。」
「他のも見たいんだけど」
「ダメだな。見ても絶対にろくなスキルは選ばない。来年には独立するからそれからにしてくれ。どちらにしても先に死なないようにしろ、前衛は死に易いからな」
「カズマは遠距離攻撃か攻撃力上昇だな。もう命中補正は持ってるからとりあえず一つにしとけ、数有っても育てられないからな」
「じゃあ、遠距離攻撃にする」
「俺は攻撃察知かな。防御力上昇は絶対みたいだし」
こうして俺はスキルを手に入れた。値段は一つ10000円
本当はカッコいい技とかの方が良いけど、それは来年の楽しみにしよう。
残金は18,300円なり。まだまだ買えますぜ。
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