第151話 課題の結果
ナイトメアブロブのドロップアイテムは魔石と尻尾だった。
アイツに尻尾なんてあったのか?
ただの肉塊のようにしか見えなかったが。
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階層ボスの報酬
罠・なし
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「罠はないな」
俺は鑑定で確認してから宝箱を開けた。
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夢魔の姿見
夢の世界へと入れる
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マンイーター
人種特効の短剣
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变化の腕輪
姿を変える事ができる
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その他ポーション類、だ。
マンイーターはミーシャのコレクションとなり、他は俺が預かった。
俺たちは、またティファに連れられてコアルームへ。
ここでもダンジョンコアに大地の力を流してコアの統合を行った。
『終わったの~? 随分と早かったわね。お姉ちゃんびっくり』
皆で地上へ転移して天龍のエウリフィアに迎えに来てもらった。
「おう。いつもありがとな」
俺はエウリフィアにお礼を言う。
「ついでで悪いがこのままキキの家に行ってもらえるか?」
『いいわよ~。ハンバーガーセット忘れないでね!』
天龍のエウリフィアの背に皆で乗り込みキキの家がある町まで飛んでもらった。
「ぐぬぬヌ……よもや本当に成し遂げるトハ……」
「こうへいサン!」
キキが俺に飛びついて抱きしめてくる。
親父さんは各ダンジョン最下層のボスのドロップアイテムを見て唸っている。
「やはリ、キキの目に狂いは無かったですネ。父上、これで納得してくれますネ? キキは決めたのです。あの意識が朦朧としている中、一生懸命に看病してくれたこうへいサンを見て!」
いや、まぁ看病はしてたけどそこまで一生懸命だったかな?
俺は疑問に思いつつもキキの想いを受け止める。
しっかり向き合うって、決めたからな、俺は。
「ぐ……認めよウ」
しかめっ面をした親父さんがボソリと言う。
「父上!」
「あらあラ、まあまア」
キキの顔がパアッと綻ぶ。
母親らしき人が頬に手を当て嬉しそうだ。
「それはそうとキキ、ウチの周りには本当に木しかないぞ? いいのか?」
俺はキキに懸念材料を伝える。
「はい、キキはこうへいサンについて行きまス!」
俺たちのやり取りを生暖かく見守るミーシャたち。
いや、君らもいいんかい。
俺が言えた義理じゃないけども。
こうして俺たちの生活に魔人族の少女、キキが加わることになった。
キキの荷物を俺の霧夢の腕輪にあらかた突っこみ、皆で拠点へと向かう。
俺たちが天龍のエウリフィアの背に乗り込んで旅立つ時も、親父さんは血涙を流して見送っていた。
奥さんはあらあら、とにこやかに手を振っていたが。
飛龍便の何倍もの速さで飛ぶエウリフィアの背で、流れ行く景色を眺める。
虚空のダンジョンでは考えさせられた。
俺は、ただの平凡な男から変われるだろうか。
少なくとも好意を寄せてくれているであろう皆には、報いなければなるまい。
どんなに頑張ったところで結局俺は俺でしかないだろう。
ならば、できることはやっていこうじゃないか。
俺はふと、いつもの頭の上の重みが無いことに気付く。
ルンにもちょくちょく助けられてるよなぁ。
苦笑しながらルンのいない頭をポリポリと掻くのだった。
拠点につき皆は装備を緩めるべく自分の部屋へ。
「キキ、ちょっとリビングで待っていてもらえるか? 部屋作ってきちゃうから」
「はい、こうへいサン!」
俺は木の集積場へと行き、霧夢の腕輪に材料を突っ込むと拠点を拡張していった。
ベッドに小さな机といつものセットだ。
慣れたものであっという間に出来上がる。
「キキ、この部屋を使ってくれ。なにか足りないものはあるか?」
俺は霧夢の腕輪からキキの荷物を出しながらキキに尋ねる。
「いえ、特に今のところは……」
問題ないらしい。
俺も自分の部屋へと行き、装備を緩めていった。
ベッドの脇の籠を見るとヴェルとアウラがいない。
三人娘が面倒を見ているはずだから一緒かな?
外から賑やかな声が聞こえてくる。
噂をすれば、か?
三人娘が帰ってきた。
「あ、おかえりぃですぅ」
「ですです」
「お、戻ったのか! ヴェルとアウラを風呂に一緒に入れて平気かな?」
三人娘のうち地黒のエミリーが抱っこ紐を首から下げている。
「おう、ただいま。風呂か。そろそろ大丈夫なんじゃないか? 湯当たりしないように気をつけてな」
「はいぃ」
「です!」
「分かったんだぜ! 加工していたから体が魚臭いんだぜ」
三人娘はいそいそとお風呂セットを持って外に出ていった。
「む。皆で風呂にでも入ろうかと思ったんだが三人娘に先を越されてしまったか」
ミーシャがお風呂セットを持ってやって来る。
「ああ、今しがた行ったばかりだな。どうせなら皆でエルフの温泉にでも行ってきたらどうだ? そろそろ出来上がっているだろ?」
「うむ。ゼフィちゃんが息巻いていたな」
ミーシャが苦笑する。
「では、あなた様。私が皆を案内して差し上げます」
アルカが客間から出てきた。
「頼んだ。俺は夕食の準備でもしてるさ。後で温泉の感想でも聞かせてくれ。キキも一緒に連れて行ってやってくれないか?」
「うむ。では皆で神樹の森の温泉に行ってくる」
「待って! お姉ちゃんも連れて行って!」
エウリフィアも行くようだ。
というかひとっ飛びだろうに。
「転移できるならその方が楽なんだもん」
とは、エウリフィア談。
さすが駄龍である。
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