第52話  結婚した俺

 29歳でデュール谷へ戻った俺は、谷の人に大歓迎で迎えられた。

 谷長の隣の鍛冶屋が明け渡され、ロブが俺の助手になるんだ。


 ロイル姓になった魔法使いはデュール谷でも久々だったらしい。

 俺と共にロレッタが、デュール谷へ帰って来た。

 彼女も25歳でロイル姓を貰っていた。

 水と大地の精霊を持っていたっけか。


 時々連絡を取り合う仲になっていたが、俺の方の修行が忙しくなって、連絡が途絶えちまったんだ。

 でも、帰るタイミングが一緒だったんだ。

 彼女は故郷の常駐魔法使いの仕事を選んだ訳だ。


 29歳と25歳で成人した二人の結婚話は、外堀から埋められた。

 ロレッタは、ロブの姪だったんだ。

 彼女は一途に俺を思っていてくれた。


 谷長の隣に新築の家が建てられ、鍛冶場の方もアレックス式の鍛冶の道具の新品で揃えられていた。

 良いのかなぁ……

 俺、これでデュール谷で、永住確定だよ?


「まだ、心が決まらないのか?ここは良い所だぞ」


「知ってますよ、ミシャールさん。でも、俺皆にこんなに良くしてもらっても、恩返しが出来ないかもしれません」


 ミシャールさんは、治療師でエリサさんの旦那だ。


「大丈夫だ、お前なら出来る。ここに来た頃とは、瞳の色も変わって来たぞ。

 銀色を帯びてきたな」


 何それ!?

 俺は慌てて、鏡を見た。

 あれ!?俺の瞳は灰色だったはず。

 少し、長の瞳の色に似てきてるみたいだ。変なの。


 ロレッタも俺の瞳の変化を喜んでくれた。


「流石に、長と同じ祖先だけあるわね」


「そうかなぁ……へへへ」


 谷長が、神官の資格を持っていて、俺たちの結婚式の仕切ってくれた。


 ロレッタとセッ●スするのは初めてだった。

 修行に疲れると、ゾーイ(アルテアの娼館)に行って癒しを求めるのだが、別に指名をしているわけでもないのに、毎回俺のもとには、NO1のイヴァンカ姐さんが来てくれるのだ。

 イヴァンカ姐さんに、テクニックは仕込まれている。

 任せなさ~~い。


 俺と初なロレッタの初夜は無事に終わったよ。



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