第41話 魔剣とは
俺は、次の日にはピンピンしていたな。
こんなに頑丈だったかな!?俺・・・
恥ずかしかったけど、世話になってしまった治療師には礼を言いに行った。
これが、またミューリエルにソックリな美丈夫な男で、エリサさんの旦那だった。
「初めてじゃないだろ!?」
えっと・・・!?
「初めて、ここに来た時に、エリサの肩にいた火竜の精を見て倒れただろ。」
そうだった~~~
俺はその時の分も礼を言った。
「お前はもっと、逞しい身体になるぞ。」
逞しい身体!?考えたことも無かったな。
そして、俺の耳元に来て言ったんだ。
「とても、男に突っ込まれて、囲われてた奴には見えん。」
え~~~!?
「女とやる方が絶対に気持ち良いからな。俺が、お前の女を捜してやろうか?」
「俺、この谷に住むの~?」
「正式に魔法鍛冶師になれば、この谷に永住は確定だな。」
「俺、そういうの考えられなくて。」
「考えなくても人生なんて、何とかなるものだぜ。」
良い人なのか、悪い人なのか・・・俺がその場で悩んでると、その人は近付いて来て言ったんだ。
「後で、谷長が話があるそうだ。」
「はい。」
「女の方が絶対、良いからな。」
別れ際再び、耳元で言った。
何だよ!!似たもの夫婦じゃん!!
俺は治療院を出て、谷長の館へ行った。
谷長は3枚の皮紙に描かれていた絵を見ていた。
「谷長、御用ですか?」
「ライアン。お前にはこの世界の事情と、お前の仕事について話しておきたい。」
「この世界の事情!?」
「お前のことだから、神殿が何を祀っているのか知ってるのか!?」
「だから、イリアス・エル・ロイルですよね」
俺は自信たっぷりに答えた。
中央神殿にもデッカイ肖像画があるんだ。
銀色の髪と瞳をした美しい神。
それに瓜二つだったロイルの長。
「・・・で、ロイルの神は何の神だ!?」
突っ込まれて、俺ははて??と思った。
そういえば、なんだったっけ!?
俺が首を傾げていたので谷長は、大きく溜息をついて言った。
「聖なる光の神だ、常識だぞ、覚えとけ。世界の神殿は全部同じだ。」
誰も教えてくれなかったんだよ~~
「それから、ご神体は、アフレオスという神剣だ。アフレオスの現身がイリアスだと言われている。」
なんか、現実離れした話になって来たぞ~~
「どこかの馬鹿娘のせいで、アフレオスは失われたがな。」
誰だか分かった気がする~~
「今の世に、神は不在だ。だが、神殿は神剣の分身が必要だと言ってきた。
お前には、失われたアフレオスの分身を作ってもらいたい。
あとは、西域の護りとなるテセウス、中央神殿には大地の護りとしてダイナスという剣を作らなければならない。」
「なんか、話がでっかくなってるんですけど・・・?俺には無理ですよ!?」
「すぐのことではない。生涯をかけての課題だ。」
「今すぐじゃなくて良いんですね?」
「当たり前だ。お前は、火力の調整は出来るんだ。コツを掴めば早いと思うぞ。」
俺は生涯の課題だと聞いて、少し安心した。
わぁ、谷長って笑うとすげぇ、童顔になるんだな。
初めて褒められた~~
すげ~~嬉しい~~~
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