第40話  生きてた、俺

俺…

消滅しちまったかな…

骨も残らねぇか…

最後に漏らしたけど、蒸発したから良いよな。


「何が良いのか言って見なさい。」


!?

あれ!?

エリサさんの声が聞こえる。

俺、消滅したはずなのに…

魂だけ残っちまったか?

俺、そんなに未練があったかなぁ~~


「ライアン・ロぺス、何を夢見てるの?とっとと、起きなさい。

その年になって、いつまで人に世話をさせる気なの?」


えっ!?えっ!?えっ!?えっ!?

エリサさんの声!?


俺は、思い切って目を開けてみた。

あれ!?

天井が見える・・・

俺は、手を顔に当ててみた。

感触があった。

精神体ってことではないみたいだ。


「俺・・・生きてる・・・???」

「何を言ってるの!?リューデュールはあなたを受け入れたわよ。火傷をしてないのがその証拠よ。」

「炎が飛んで来たんですよ!!」

「火竜が火を吹く時は、機嫌の良い時か、怒った時よ。リューデュールは、あなたのヘンテコな挨拶に笑ったのよ。」


笑った!!?

あれが上機嫌の態度!?

てか、俺の挨拶通じたの!!!?


俺は、ゆっくりベッドから起き出したら、エリサさんに言われてしまった。


「今日はゆっくり、寝てなさい。私達には、リューデュールは当たり前のようにいたけど、外から来た人にはショックな生き物なのね。初めて気が付いたわ。」


エリサさんはポツリと言った。

そこ、今気が付くとこなの!!??


聞けば谷長や、ロブも同じ考えだったとか・・・

アルテアの血を引いたエリサさんの旦那さんに指摘されて、気が付いたそうだ。

この谷の人達は当たり前のように、火竜の存在を受け入れてるんだな。


「エリサさん、俺どれくらい気絶してましたか!?」

「あなたがあんまり暴れるから、私あなたを落としちゃったのよ。ギリギリのところを風の騎士に拾わせて、ここまで運ばせたわ。あなた臭ってたから、泉に突き落としてやったわ。」


あ~~~俺失禁してた~~~


「後は治療師に引き渡して、2刻という所よ。ここに来た頃よりは、ずっと体力が付いてるわ。後は慣れ、ね。」


慣れるんだろうか!?

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