第25話  左遷されたオルランドさん 

 結局、オルランドさんは大神官がアルテアの銀行に、大金の預金があったことがバレて、ヴィスティンの市民に怒りをかって、四ランク降格となってしまった。


 でもこれは、オルランドさんの親が残してくれた遺産で、オルランドさんが稼いだものではない。

 オルランドさんは、大神官の神殿から貰う禄のほとんどを、神殿の運営資金の方へ返しているらしい。

 このオルランドさんの姿勢は、他の神官や巫女に尊敬され、禄を返却する者が相次いだ。でも、金額はそれぞれ違うそうだ。


 オルランドさんは、ディナーレの中央神殿の大神官の座を辞さねばならなくなった。

 銀の森の大神殿のNO4として、赴くことになった。

 四ランク降格以下の位だった。


 銀の森の大神殿は、三つある世界の大神殿では、一番古いが格が低いのだ。


 ルーカスによれば、オルランドさんは吹っ切れた様子で、ディナーレの市民の前で土下座をして謝って、そのまま銀の森へ行ったという。


 俺はオルランドさんの元屋敷で、この事を知った。

 オルランドさん、ここを俺の名義にしたってことは、来ることも無くなるってことか?


 その辺をルーカスに聞くと、


「大神殿には、沢山の神官と巫女がいるからな。人の目があるから、個人の時間はないと思った方が良いな」


 俺はガビ~~ン!!


 うううぅ……

 俺はもうオルランドさんに会えないのか?


 ん!?

 俺は閃いた。

 セルグ師が来た時に、聞いてみた。


「セルグ師、俺には学び舎に入れるくらいの魔力ありますか?」


「その気になったか!?そなたの力なら十分だ」


「本当ですか!?」


 俺は素直に喜んだ。


 ふっふっふっ……俺が銀の森に行けばい~じゃん!!


 俺って頭が、良い~~


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