第12話  才能を開花させた俺

 サントスで魔法学を習い始めて、三年が経っていた。

 俺はオリエ姉さんのおかげで、古代レトア語をマスターして授業には、オリエ姉さんも一緒に出てくれて、沢山の呪文を覚えたんだ。


 火の精霊、ヴァンクロフの他に風の精霊、エスティーヤと契約した。


「魔法鍛冶師!?」


「そう、火の精霊と風の精霊を契約してるのが、第一条件なの」


「俺がぁ?」


「普通は、東北地方のデュール谷に生まれる、フレイドル一族に生まれる火の魔法使いがなる者なのよ。光の神殿にご神体の、神剣アフレオスというものがあったわ。その、ご神体に奉納する魔法剣を作る仕事よ」


 オリエ姉さんに、こんなことを言われた時、俺は18歳になっていた。


 火……そうだな……炭焼きのじいさんの所に捨てられてた俺……

 ケツを掘られそうになった時も、助けてくれたのは火の精霊だ。

 火には恩があるな。

 俺はうんうんと、頷いてオリエ姉さんの話を聞いていた。

 そうしたら、オリエ姉さんがトンデモナイ事を言ってきた。


「でも、魔法鍛冶師になるには、ロイル姓の魔法使いになるのが条件なの。サントスでは、鍛冶の技術は教えられるけど、魔法学は銀の森ほどの教師陣が立派ではではないわ。」


「銀の森の学び舎ですか?」


 神殿所属の一流魔法使い。

 エリート集団、ロイル姓の魔法使いの養成所。

 超難関だ!!


「俺には無理でしょ!!オルランドさんだって、神殿所属になるには難しいって言ってたし……」


 そうしたら、オリエ姉さんは怒り出した。


「その銀髪は伊達なの!?あなたの才能はそんなものじゃないわ!!

 男なら、挑戦してみなさい!!」


「えっと……」


 ここでもよく言われるんだが、銀髪と魔法の力がどう関係あるんだよ。


「銀の森の大神官様には、手紙を書いておくわ。私も手伝うわ!!頑張りましょう!!」


 オリエ姉さんは俺の手を取って、1人で盛り上がっている。

 俺は、断るつもりだったのに……

 俺は、取り合えず魔法が使えれば、良いだけだったのに……


 俺は、2度目の脱走を企てた。


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