第6話  オルランドさんとの出会い、

「こんなに朝早くから、何をしてるのですか?」


 俺はディナーレの中央通りにある広場でうずくまっていた。

 石畳の地面が足を冷やしてきた。

 頭上に、火の精霊を連れていても、契約をしているわけではないので寒かった。

 俺は、朝冷えに凍えていた。


「どーしたも、こーしたも……」


 言いかけて、その人が神官服であることに気が付いた。

 しかも、朝日にキラキラ光る金髪。

 澄んだ空を思わせるような青い空のような瞳。

 神殿にあった彫像のような顔。


 深紅の腰紐が、この人の位の高さを示していた。


 俺はしばし、神官さんに見惚れていたと思う。


「神官さんこそ、何をしてんの!?こんな朝から?」


 俺のこんな言葉に神官は、笑って答えた。


「ゴミ集めですよ、ここは繁華街に近いですからね。夜の内に沢山のゴミが出るんです」


「それ、もっと、下っ端の役目だろ!?少なくても深紅の腰紐の神官さんがする仕事じゃないよな!」


「腰紐の色など関係ありませんよ、思い付いたものがやれば良いだけのことです」


 そう言って神官さんは、背負っていたカゴにゴミをポイポイと入れていった。


 朝日が昇り切るまで、オルランドさんは広場でゴミ拾いをしており、行き場のない俺は、ずっとその場でしゃがみ込んで神官さんの作業を見ていた。


「こんなものですかね。あなたは何時までそこにいるのですか?」


「あんた神官だろ!?俺、中央神殿から紹介された仕事場から逃げて来たんだ」


「穏やかな話ではありませんね。何があったのですか!?」


 神官さんがそう言ってくれたので、俺は今まであったことを洗いざらいブチマケテやった。

 神官さんは、黙って聞いてくれた。

 そして悲しそうな顔をして、言った。


「神に仕える身で、欲徳に走る者がいるとは残念な事です。そういえば、名前を聞いてませんでしたね。僕の名前は、オルランド・ベーカルです。君は!?」

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