父への頼みごと フレイヤ/sideマードック(父)

どうやら私は本当に転生してしまったらしい。

 その結論に達してからの行動は早かった。


***


「お父様、私に家庭教師をつけてくれませんか?」


 父の執務室に訪ねて私は言った。


「どうした、急に?」


「私は候爵令嬢としてとして恥ずかしくない人間となり、お父様の役に立ちたいと思ったんですっ!」


 よくもまあこんなウソがスラスうと出てくるものだ・・・


「だが、前は嫌がっていたじゃないか」


「考えが変わったんです」

「お願いしますっ!」

 上目遣いでお願いする。


「フレイヤ・・・」

「よしっ、家庭教師を付けてやろうっ!」

「具体的に何を学びたいんだ?」


 あっ、以外にすぐ納得したな。

 長期戦だと思っていたのに


「座学や魔法、礼儀作法など全てですっ!」


 そう、私は全て完璧にしなければならない


 ある目的のために・・・


「・・・・」

「いいのか?」

「今のお前には大変だと思うが」


「かまいません」


「じゃあマナーとかはプリシラに任せるとして」


 私の母である。


「魔法と座学の先生は私が探しておこう」


「ありがとうございますっ!!」


 そう言って私は執務室を出ていった。


***


 フレイヤが出ていった後、扉を誰かがノックした。


「私です」


「プリシラか、入れ」


「フレイヤが出ていきましたが何かあったのですか?」


「フレイヤが家庭教師をつけてほしいと言い出してな」


「まぁ、フレイヤが?」


「そうだ。何でも立派な候爵令嬢になってこの家の役に立ちたいそうだ」

「お前は礼儀作法について教えてやってほしい」


「それはかまいませんが・・・・」

「あの子は本気でしたの?」


「あぁ、それに魔法も座学も全てだそうだ」

「誰か良い人を知っているか?」


「探しておきます」


 そう言ってブリシラは部屋を出ていった。


 それにしてもフレイヤはどうしたのだろうか。


 勿論、嬉しいことではあるが以前ならあんなこと絶対に言わない。


 まるで人が変わったようだ。


 変わったとすれば、あの気絶した日からか・・・


「まあ、考えても本人しか分かるこではないがな」


 そう思い直し私は仕事を再開した。




 まさか本当に中身が変わっているとは思わずに・・・

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