第27話 6月16日 火曜日

 翌朝、当然、登校前にポストの中を確認をする。

 えっ!? 増えてる。

 今日はポストの中に三通目の白い封筒が入っていた。

 

 昨日の雨は僕が帰るころ嘘のように止んでいて帰り道では星空も見えた。

 家の近辺に泥にまみれた怪しい足跡でも残っていないかな?と思うけれどあいにくここは泥道じゃないから足跡なんて残ってない。


 この白い封筒をポストに入れて行く人はいったい何時ごろうちにきてるんだろう? あくまで僕の予想だけれど……ご近所さんの目もあるし他人には見られたくないはず。

 だから陽が昇ってからうちくるとは考えにくい。

 だとしたらまだ暗いうちにうちポストに封筒を投函していっているはずだ。

 

 このお金を返すにしてもさすがにもううちポストに無防備には放置いてはおけない。

 僕は今回も白い封筒の中身を確かめてみた。

 千円札が三枚と……十円玉が複数? えっと十円の枚数は八枚。

 さ、三千八十円。


 えっと、今日は金額がすくない。

 紙幣の数は同じなのに小銭の数がすくない。

 僕は手ひらのなかの小銭を数え直した。


 もっとも数えるまでもなく手のひらの十円の枚数は目で見ただけでわかる。

 前回よりも四百四十円すくなくなっていた。

 どういうことだろう? そろそろ警察に届けることも考えないといけないかな? あっ、でも、八十円はどうして「五十円玉」一枚と「十円玉」三枚じゃないんだろう?

 

 そこに深い意味なんてないか。

 僕はいったん家の中に封筒を置いて気が重いまま学校に向かう。

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