第69話 熊本へ行く
美味しいものばかりで、ヤバイ!太った〜と沙織は絶望的になる。
何が一番美味しいって、食後に食べる貴重な二、三枚のお漬物だ。二泊したそれぞれのお宿で、朝晩4食いただいた和食の数々にひっそりと付いてくるお漬物。ランチの付け合わせ、つまむひとかけらのお漬物の美味しさ、旅行の醍醐味だと今回も思う。
もちろん、赤牛もステーキでたっぷりいただいた。目を落とすと食器の下に、豚しゃぶ、鶏、野菜、熊本の特産品が沢山描かれたチラシがランチョンマットになっていて、皿を持ち上げながらひとつひとつ確認するのが楽しかった。
これは良いな。いただいて帰ろうと思ったのに、残念、満腹になって途端。興味を失って貰ってくるの忘れてしまった〜
果物も野菜も牛、豚、鶏、米、なんでも採れる豊かな大地。大きな山に囲まれて豊富な伏流水。なんでもきれいな水で美味しくなるんだな〜とわかりやすい感想を漏らす。始めての熊本は、それだけでドキドキする沙織だった。
赤牛、昔は安くて飼う人がいなかったっという話を聞いた。当時は飼手がいなかったのに、柔らかくて美味しい赤牛は今では倍くらいの値段になっているらしい。それでも黒毛には敵わないということだけれど、肉肉しいのが苦手な人にはお勧めな、さっぱりとした良い肉だ。
遠くの山並みの中に寝般若の姿が至るところから眺められる。旅の間何処にあるかと何度も探した。遠遠と続く山並みはこの大地を縁取る。大きな雄大なる盆地。大きなカルデラが創る豊かな牧草地や農地は、見るからに美味しいものがたくさん採れそうだ。
残念ながら噴火情報が出ていて阿蘇には近づけなかった。山の麓の駐車場で軽石を売っていたのでこれは名産品だと買い求めた。今もお風呂で使わせてもらっている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます