第48話 片付け

 掃除掃除、そろそろ掃除。よく晴れた日は掃除も楽しい。カーペットの無い床は掃除も楽で気持ち良い。

 昔は掃き掃除が好きだった。箒でサササと掃いてチリトリで片付ける。根本的な掃除にはなっていないかもしれないが、目の前のゴミは無くなってスッキリする。床面が出て来ると家は片付く。

 拭き掃除は未だに嫌いだけれど、最近は掃除機も悪くないなと思う。

 思い切って購入した国産の値の張る掃除機は、精度も上がって吸引力も抜群、細かいゴミも良く取れる。おまけにエコでパック無し、充電式でコード無し、少し大きいけれど使い勝手がバツグンに良い。

使うたびに便利になったな〜と感想が漏れる。

 抱えるには嵩張る。階段は夫に任せて、快適に暮らす。

 最新式は重いからバランスを崩すと落っこちそうで危険。そこは魔法使いの登場でホントに助かる。

 要るものだけ揃えた家は床の空きも程よくて動きが楽。このまま物を増やさないで暮らしたい。

 買いたいという欲求はこの頃めっきり減った。買い物に出かけても欲しい物がなくて、困る。

 困るのもどうかと思うけれど、困るんだ。買い物の楽しみは欲しいという欲求に掛かっているのだから。それが無いとどうにも突き動かされるものがなくて意欲が湧かない。買い物が散歩代わりなんて笑える。

 食べ物も欲しい物がないし、着るものも欲しい物がない。

 魔法使いは果物が好き。朝食のお供が好き。卵とか海苔とかじゃことか…

 私は朝食が嫌い。子供の時から太めだったからご飯を敬遠しているうちに炭水化物を分解する酵素が無くなったと虚言している。果物も嫌い。そもそも子供の頃に食べたものしか食べられない。みかんとかリンゴとかバナナとか…母はバターとか使う人じゃなかったから洋食も苦手…

 近くの産直の店で野菜を買ったら事足りる生活。定年を迎える頃にはそんな状態になってお金がかからなくなるのかも、不思議だ。よく出来てる。

 お金がなくなる頃には欲しい物も無くなる。有り難い法則だ。要るものと要らない物を分けたら一生分の衣類が残って、それを身に着けて、少しの食事で満足して、適当に暮らしているうちにお迎えが来ると良い。


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