#9 初めに目指す場所
そういえば。。。
魔王はふと思い出した。
人族に転生してから7年だが、死んだあの日から何年経ったのだろう?
魔界は今どうなっているのだろうか?
魔王を倒した者が新しい魔王となる。
という事はあの魔眼の女が新しい魔王になっているのか?
それとも、実際に手を下したあの若い男に憑りついていた者が魔王になっているのか?
しかし男の方に憑りついていた者は魔力から察するに命令されただけの下っ端だろう。
そう考えると男の方が新しい魔王になるとは考えられない。。。
そもそもあの生贄の娘はどうなったのだろうか。
魔眼の女は目的を果たしたろうから娘の身体に留まる理由もない。
おそらく娘は自由の身になっただろう。
そうなると、魔王が死に、助かった!これ幸いと故郷の村に帰ったのだろうか。
もしそうならば、村に大事が無ければ良いが。。。
色々と疑問は尽きなかった。
「よし、それならば、、、」
魔王はゆっくりと立ち上がりながら、血と埃にまみれた服をパンパンッと手で払った。
魔王としての記憶が戻った今、初めに目指すべき所が決まった。
あの魔界の入口だ。魔王としての生を終えたあの場所へ向かう事を決めたのだ。
そこに、何か疑問の答えに繋がる糸口が見つかるかもしれない。
「まずは手始めに、、、」
そう呟いた魔王の顔には、ニヤリと笑みが浮かんでいた。
7歳の子供の姿から、それは何か悪巧みをしている悪ガキのように見える。
しかし開いた右の手のひらには黒い光が集まっており、
ただの子供では無い事が見てとれた。
そして右手に集めた黒い光を煌々と輝かせながら、
ゆっくりと町の中心部へ向かって歩き始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます