第3話 カフェマスターの一日 後編

ドアベルの音が鳴り、カナデとリナはお話を中断しドア側を見るとそこにいたのは、

黒髪で作業用のエプロン姿といくつかの銃のケースを束ねて担いだ姿の

銃工房「Create・Gun」(クリエイト・ガン)店主・レナだ。


「よ、邪魔するぞー・・・ってリナもいるじゃねえか。朝早くからいる感じからするとお手伝いか?あとカナデ、銃幾つか持ってきたからいつものアレ射撃訓練場用に持ってきたんだかどこに置いたらいい?」

そう言いながらカナデとリナに挨拶しつつケースの置き場を探すレナ。

「お、レナいらっしゃい。アレだね。OK。その量ならドア横の荷物置き場に置いていいよ。新作でしょ?」

「おはよう。お手伝いよ。昨日フィールド天候悪かったし。あとは新作の試食をちょうどしてたとこ。」

カナデは椅子から立ち上がり挨拶しながら入り口横にある台車を指さして指示。リナも挨拶しつつ新作のことをサラッと説明。カナデのを聞いたレナは入り口横にある荷物置き場の台車にドスンと銃のケースの束を置く。

リナはいつものことよ、という感じで答えた。

「すまんな。そ、新作だよ」

ドスンと台車に置かれたケースはラチェットで固定されており大小合わせて5~6ケースはあるだろうか。

カナデは手を止めるとカウンターから出て台車に置かれた銃のケースを見に近寄りサイズを確認。レナの作る銃火器はどれも素晴らしい物ばかりだからだ。

ケーズをざっと見た感じ、ハンドガン用1丁・サブマシンガンが3丁・スナイパーライフルが1丁という感じか。あと一つは割と中途半端なサイズなので中身は不明だ。

「どんな銃なのか楽しみだよ。ちょうどリナも訓練場使う予定もあるからせっかくだしちょうどいいから試射会という感じで試してもらう?」

その話を聞きつけたレナは!となり

「お、そうなのか?それならちょうどいいタイミングだ。

今日持ってきた奴は販売予定と試作品があって、元々カナデにも見てもらう予定でもあったけど、長物あるからスナイパーも扱うリナもいるなら助かるよ。リナ、悪いけどまた手伝えるか?」

最後はリナに向けたセリフだ。その話を聞いたリナは

「OKよ。いつもレナには私の愛銃でお世話になってるし。何より新作を誰よりも先に見れて試射までできるなら一石二鳥だし乗らない手はないでしょ」

さすがトレジャーハンターというところだろうか。目を輝かせながら快諾。

カナデはいつものという感じか。という感じで苦笑の様子。

「まーたいつものトレジャーハンターの血が騒いじゃったかリナ」

リナの快諾を聞きレナは「助かるよ」という表情で答えた。カナデの発言にリナもむうとなりながら

「当たり前でしょもう。」

「まあ、リナのスナイパー意見は中立的だから正直俺からすると参考になるからありがたいけどな。っとそうだ注文忘れてた。」

レナが機嫌取りをしつつも話の途中で思い出したかのように注文をする。

「今日はそうだな・・・。ストレートコーヒーLのブラックペッパー入りベーコンホットサンドイッチセットで頼む。」

ものすごい思い出し方だなあと思いつつも

「ストレートコーヒーLのブラックペッパー入りベーコンサンドイッチセットだね。かしこまりました。」

いきなりのレナの話の腰を折る注文にもはや手慣れた様子で手早く左手でウィンドウを開き手早く注文をメモ。そして内容を確認して一言。

「あれ、レナがホットサンドイッチセット頼むの珍しいね。」

その質問に肩をすくめながら理由を話してくれた。

「新規銃のデザイン設計が楽しくなって夜通しで設計・クラフトをしちまってな。

で、時計見て気がついたら朝だったというやつだな。眠気覚ましも兼ねてちょいと辛めのやつ食いたい気分でな。結局深夜テンションってやつだ」

「バレたか」という感じで白状するレナにジト目で呆れた感じでリナが突っ込む。

「はあー・・・ここで食べるのも良いけど、落ちたログアウトらちゃんと忘れずにご飯食べなさいよね・・・・」

リナに呆れ顔で言われながら訓練場入口隅のカウンター席の椅子に座るレナ。彼はここがいつもの指定席だ。

「落ちたらそうするよ。どうせ今日は普通に仕事休みだしな。」

カナデは手早く自分の席の空になったコーヒーと皿をお盆に回収してカウンターの内側へ歩いていく。

「いやまあ深夜テンションとスイッチ入るとのめり込むように作業しちゃうのはわかるな。あるあるだ。」

「まあ確かにそりゃそうだけど・・・・」

カナデの同感にコーヒについでとばかりにミルクを追加爆撃。スプーンでマーブル状に真っ黒なコーヒーがカフェラテへと変化していくを見ながらぼやくリナ。

カナデは回収したものをカウンターの作業台に置きシンク下に常設されているお冷用のグラスを取り出し専用の蛇口から水を注いでカウンター越しにレナに渡す。レナも受け取って軽く一口飲む。

ついでにカナデは端末を操作し会話の邪魔にならない程度にスクリーンの音量を少し調整してから造作壁の棚から磨かれたコーヒーカップを取り出していったん洗うことに。

水音が響く中レナは「そういえば」という感じで何か思い出したのか訊いてきた。

「あとで新作銃も試してもらうけど最近お前さん工房に来てねえだろ。銃の様子はどうだ?気になってな。」

カップを丁寧に洗いながら、思い出すようにして答えるカナデ。

「ん?ああバリバリ調子いいよ。自分でメンテもやってるからあれだけど先日厳冬地で対人戦やったら余裕だったよ。次時間あるときにでもメンテナンスにもっていくよ。」

「そうしてくれ。そろそろクリスマスイベントもあるんだし万全にしな。」

そういわれると苦笑するカナデ。

「あれなあ…どうするか決めかねてるんだよなあ。ついさっきリナにも同じ話されたよ。でも今回は様子見のつもりかなまだ。」

その発言にコーヒ飲みながら「珍しいな」という表情のレナ。

「ん。どうしてだ?」

水を止めてカップを専用の乾いた付近で拭きながら理由を答える。

「クリスマス時期はお客さん増やせるチャンスでもある‥というのもあるけど、

今年はここでで過ごしてみたいというのもあるんだよね。まあ、内容次第では行くかなーという具合。というか参加する気なの?」

ある意味マスターとしての意見と質問返し。聞いてさらにリナが追撃。

「‥‥レナのとこもこの時期は混むんじゃない?」

「うちの客は前日まで予約で埋めたぐらいで済んでる。当日も営業するけど、飛込じゃない限り暇じゃないかなとは思う。イベントは営業終えたらそのまま勢いで行く気だよ。」

(わーお。相変わらず勢いで行く気かい。)

声には出さないが心の中でボソッとつぶやくカナデ。

コーヒーのカップをいつもの機械に手慣れた感じでレバーを操作。蒸気でカップを温めたのち、今度はブラックコーヒに設定し、豆もレナ好みに細かく調整。

あとはスタートを押す。自動で豆を適量に挽くところからなので、少し時間はかかるけどその間にサンドイッチを作ることにする。作るものの量が多いと厨房でやるけど、今はワンオペでも回せるぐらい暇なのでこういう軽い物などはカウンター側にもIHコンロやオーブンもあるので、そこで調理しながらお客様と会話が多い。

サイバーチックな非日常な世界観の仮想空間でもこういう道具類は現実同様の方法で扱えるのでありがたい。

ゲームといえど正味メタい話ではあるが、自分がなりたい職になれるゲームも個人的にはありがたい。

実は一度、個人的に銃の製造系も気になりレナに聞いたこともあった。

彼曰く「銃の製造工程はウチのお得意客の中に海外のリアル本職がいるんだかその時に製造工程やメンテナンスの工程を見てもらったが、その客曰く「製造工程は物理的に現実じゃ出来ないやり方だ。だか、銃のメンテナンスだけは道具込みでリアルと同じだ」と言っていた」らしい。

日本国内でもリリースされてるから銃の製造に関してはさすがにコンプライアンス事情や大人の事情でリアルと同じ再現したら国内外問わず大問題だろうという感じで安心はした。まあ工房での他のゲーである同じ銃火器のを使いたいという理由でクラフト製造依頼だけでなく、フィールドをうろつくMobや遺棄された遺跡や廃墟群にも前世紀文明の銃火器が埋もれていたりや特定条件をクリアしないと出現しない唯一無二のレアな銃も存在する。リナも遺棄された廃墟群のボスからドロップしたレアな銃を使っている。

だけど逆に銃のメンテナンス部分はリアルと変わらないらしくそこは問題ないんだ・・と思ったが、海外だとライセンス持ちもいるし国内ではサバゲーでモデルガンではあるが銃は分解したり中にはカスタム改造して使うユーザーもいるから当たり前という感じで納得はしてる。

それゆえこのゲームは国内のみならず海外ユーザーにも人気のコンテンツなのだ。

特にカスタムは様々なゲームでもよくあるが、SGBOでもその例には漏れずゲームでも盛んに行われており、銃工房業界の中にはパーツカスタム専門のショップや工房を営んでいるとこもあるくらいだ。

むしろカスタマイズしているユーザーが多くノーマルで使う人は少数派とまあゲーム内での銃事情は現状こんな感じらしい。


まあ、そんな小話は置いといてモーニングの用意をすることに。

よく使うモーニングは手慣れたのでだいたい厨房側ではなく、カウンター側でやることが多い。カウンター側でもキッチン設備もカフェならではのサイズ感のコンパクトなものだ。

ブラックペッパー入りのベーコンホットサンドイッチ。

メジャーではあるがウチでは少し辛めに仕上げており、半熟のトマトスプラングエッグを使い少し厚めのスモークベーコンを5枚とチーズとトマトとブラックペッパーを使用している。

彼の場合、仕事柄体力を消費するので量とスタミナ回復のリソース量を増やすために量をボリュームにしている。

パン4切れと卵と厚めのスモークベーコン10枚(パン1セット5枚使用する)とトマトを用意。

まずはレタスを洗ってからパンに合うように料理用ナイフで一口サイズにカット。トマトは洗ってから薄くスライスしておく。

そして下からボウルとフライパンとホットサンドメーカーを出す。ちなみにウチでは大きいものを使用している。コンパクトタイプも持っているがあれはキャンプ用。

「お。出たわねホットサンドメーカー。一時期入手するのに苦戦してたわよね、カナデ」

ホットサンドメーカーに気がついたのはリナ。入手時の苦労を思い出しながら苦笑いだ。「まあ、あのアニメの影響だよなあ。ここでもキャンプブーム到来でキャンプ道具干上がるのは予想はしてたけどまさか料理道具まで干上がるのはマジであの時は予想できなかったよ。お陰で手に入れるのにめちゃくちゃ大変だったし、情報屋のあいつのおかげでなんとか仕入れられたから感謝しているよ」


思い出しながらも左側にホットサンドメーカー。右側にフライパンを用意しておく。

ボウルに卵を2個コンコンと割ってから投入。カチャカチャと箸で混ぜてからサラッとするまで混ぜてからボウルを置いてからフライパン側のIHのヒーターをオンにしてオリーブオイルを投入しまんべんなく広げて熱する。その間にカナデの意見に相槌を打ったのはレナ。話題は先程の情報屋のお話へ移っていく。


「確かに。あいつほんと多方面の情報幅広く網羅してるからすごいよな。記憶力お化けだしいつ寝てるのかもわからんし・・・ある意味「VRMMO間を旅する電子の情報屋・電子の住人」や「歩く情報屋の都市伝説」という異名も有るくらいだしな。七不思議どころか100不思議位ありそうだよなあのゲーマー情報屋」

しれっといじるレナ。

「100は言いすぎでしょレナ・・・・」

と苦笑顔で突っ込むリナ。ただまあ同感とばかりに続ける

「まあでも彼女は謎は多いのはわかるわ。神出鬼没なのは事実だしね」

そんな常連客同士の有名なゲーマー情報屋のトークを繰り広げるのを聞きながら、

温まったフライパンにボウルで溶いだ卵を投入。丸いフライパン全体に卵を広げながらスワンリングしてからヒーターに戻し、生地が薄くで焼けてきたら空気を混ぜながら軽く半熟スプラングエッグにしていく。ある程度いい具合に混ざってきたら薄くスライスしたトマトを投入し更に混ぜる。こうすることによりあっさりとした半熟スプラングエッグができるのだ。実はこれを使ったモーニングも実はメニューとして入れており、意外と人気なのだかそれをサンドイッチにも使用している。

そしていい具合に焼けたら火力を保温に切り替える。その間に手早くホットサンドメーカーにパンをセットしてその上にカットしたレタス、厚めの燻製ベーコン5枚とカットしたトマトを並べてから保温しておいた半熟トマトスプラングエッグを載せる。

半熟トマトスプラングエッグのいい匂いがカフェ内に広がる中、更にそこにブラックペッパーをミル機でゴリゴリと少し多めにまぶす。

その美味しそうな匂いに思わずリナが言葉が漏れてしまう。

「ん・・・いい匂い。この半熟トマトスプラングエッグもいいわよね」

「人気メニューですからね」

ニッコリと営業スマイルでリナにコメントを返すカナデ。

そしてその上にパンを載せたらホットサンドメーカーの上蓋を閉めてヒーターの電源をオン。自動制御で中火でじっくり3分焼き上げを待つ。その間にストレートコーヒを用意することに。

ストレートコーヒの場合はいくつか豆をチョイスしてるのだか今回は朝方かつ、目を覚ましたいというということなのでスノーマウンテン《雪の山》をチョイス。

このコーヒーはリアルには存在しないのだかリアルで近いもので言うならブルーマウンテンが近いだろう。

SGBOのワールド一部に山岳地帯がありモンスターなども闊歩するエリアも有るが、山岳都市もありそこで栽培されるコーヒーだ。寒暖差が激しい気候ではあるが天然の地下水や豊富な土壌、それに厳冬地域ならではの環境が生んだ2編みと爽やかさを併せ持った奇跡のコーヒー豆ともいわれており、市場では割りとレアなコーヒー豆とも言われており、希少かつ高値で取引されており、カフェ経営者の間では喉から手が出るほどほしいほとも言われている。仕入れられているところはあるのだが、不安定らしい。

しかしウチは例外で安定的に仕入れられており、その理由はうちの常連客の一人に趣味でコーヒー農家がおり今でも定期的に飲みに来る方だ。かなり気難しい方なのだかうちを有ることがきっかけで気に入ってもらえたのをきっかけに契約農家という形で仕入れ契約を結び安定的に仕入れることに成功したのだ。ある意味ちょっとしたからくりでもある。


そのコーヒ豆を後ろの棚から用意しマシンにセットして抽出作業を開始のボタンを押す。挽いたりなどの作業も有るためその間にカップをマシンにセットしてレバーを引く。スチーム蒸気と共にお湯が注がれ、カップを温める。

その作業をしていると一分半のタイマーが鳴りカナデが「おっと」と声を出しながらも手早く裏返す。3分のタイマーのうち、1分40秒にセットしたタイマーだ。

なぜこのタイミングかというと、裏返すのだ。

一応、HI側でも焼き具合を自動制御で見てくれるので焦げる心配はないのだが、大体この時間でいつも返している。

ひっくり返したら、カップをメーカーも抽出口にセット。大体このタイミングが多少忙しいのだ。慣れてない時はワタワタするときもあったが、今では手慣れたものだ。

その光景にリナもカフェラテを飲みながらコメント。

「だいぶ慣れたわねこの瞬間も」

「まあね。でもまだ客少ないからワンオペでまわるからいいけどね。でも今年は平和だと思うけどね」

「そうかしらー?」

ニヤニヤするリナ。そこにレナが突っ込む。

「お前どうせクリスマス暇なんだろ。忙しくなってイベントで遅れたら困るから手伝いたいんだろ?」

その発言が図星だったのかギクリとなるリナ。

「そ、そんなわけないわよ?」

レナ&カナデ「「バレバレだぞオイ」」

男性陣が口を揃えて突っ込む。

まあ、リナはこういうところがかわいいとこもある。

そしてちょうどいいタイミングだったのかIHのタイマーとマシンの抽出準備の完了のサウンドが鳴る。

「お、同時か。今回もピッタリできたて提供できそうだ」

そう言いながらまずは火を止めて先にカップをセットして抽出開始を押しておく。あとは自動で注いでくれるはずなのでその間にホットサンドメーカーの蓋を開ける。

「うむ、良い出来だ。」

ふわっとコーヒの匂いと焼きたてのサンドイッチの匂いが店内に漂うなか、

盛り付け用のお皿にコトっと載せるとパンの表面には「Gentle Breeze」の焼き色が。カットは自分でやるスタイルにしている。提供前にカットすると肉汁や半熟卵が漏れちゃうので、大体こうしてセルフカットにしているのだ。

そしてコーヒも抽出が終わったようなのでトレーにコーヒーとベーコンホットサンドとナイフとフォークを載せてレナの席に提供する。

「おまたせしました。。ご注文のストレートコーヒとベーコンホットサンドです。ストレートはスノーマウンテンです。」

「お、すまんないつも。しかしスノーマウンテンか。良いチョイスだ。残ってたのか?」

「いえいえ。豆はちょうどラスト残ってましたので。それに今日追加分が届きますので」

「あ、ずるいレナ。それレア豆じゃない。カナデ私も飲みたいー!」

豆のトークを聞いた途端リナが食いつきカナデにオーダーしようとするがすかさずレナがジト目で反撃。

「ストレートというかブラック飲めるのかリナは?」

その発言にうっとなりカタコトになるリナ

「・・・・・マダムリデス」

(さすがレナだよなあ。リナのことよーく知ってら。)

と声には出さないがバッサリ斬るカナデ。出してたらリナに間違いなく問答無用で拳またはカウンターのそばに置いてある銃のストックで思いっきり殴られる未来しかない。

ハハと笑いながらもナイフでホットサンドをカットするレナ。カットすると溢れる肉汁と半熟トマトのスプラングエッグが溢れてくる。

「お、うまそうだ。いただきます。」

サクッという音と共に頬張るレナ。

「いい音ねえ・・・・」

そのまま無心でがっつくレナ。相当食べてないのか夢中だ。

「すごいがっついてるな」

「あたり前だ。こんだけうまけりゃがっつくしかないだろ。安定の旨さだ。」

100点満点の美味しさだ、と言うばかりのコメント。嬉しい限りだ。

「良かったじゃないカナデ」

「まあ、レナ用にちょっとアレンジしてるからな。というかリアルでも作れるから何ならレシピ渡せるぞ」

「私も朝ごはん用にやってみようかな。後で落ちたらレシピいつものLAIM《ライム》に送っといてもらっていい?」

「お、ならもらうか。最近マンネリしたからちょうどいい」

「了解。送っておくよ。」

と、言い終えるか否や、店のドアが突然バダコーン!!と勢いよくまるでグレネードで爆発したのかとばかりにものすごい勢いで音と共に開いたのだ。

「レシピほしい!!!!!!!!!!!!」

という明るい第一声が店内に響いたのだ。

爆発じみた音とその声に驚いたのか「何事!?」とばかりにリナ、レナは目を丸くしてドアの方を見る。

カナデはというと「出たな歩くゲーマー情報屋」という感じで苦笑顔だった。

噂をすればなんとやら。ドア先にいたのはSGBOでは有名なゲーマー情報屋でもありGentle Breezeの常連客のレイナ・アスタリアこと「レイナ」だ。いつもこんな感じで勢いよく登場するのだ。

まーたカオスな一日がまた始まりそうだ。と思うカナデであった。




【あとがき】

大変おまたせしました。またエタり気味になってましたが生きています。miraidaichiです。

3話です。世界観メモにもあった情報屋がついに名前とともに登場です。

レシピどうするかとゲーマー情報屋の登場させかたで悩みました。次回話を彼女にフォーカスさせたかったのもあります。

お話の中でもサラッと新しい人物や世界観が見えましたね。

次回4話はゲーマー情報屋の彼女の出会も含めたGentle Breezeの開業時のお話や運送屋の子の登場、クリスマスイベントの話題で地下射撃場で試し撃ち合いへと移っていきます。イベントのお話まで先は長いですが、そこも込みで楽しみお待ちいただければと思います。


世界観の情報も公開後に更新しますのでそちらもご覧くださいませ。



















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