守りたいもの

君は僕に言う。

「大丈夫、ちゃんと守るから。」


その言葉の裏には自分のために生きることをやめた君の苦しみがあった。


自分のことはあと回し。

周りのことばかり見ている君は

そうすることで必死に自分を保っているようにも見えた。


大切なものの一つや二つ守れなきゃ

ここにいる意味なんかない。


それが君の口癖だった。


そんな君を僕は尊敬している。

そしてそんな君を見て不安にもなる。


君の存在意義なんてものはずっとここにあるのに

そうしなければ生きていけない君を僕は支えたかった。


それすらも見透かす君のことを

僕は守って支えてあげられるのだろうか。


時間がかかっても君の世界に七色の橋を架けたい。

その橋が君の支えになることを願って。



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