第四話 あの男子生徒が、、

次の日。


いつものように一限目の授業が始まった。


相変わらず俺と消しゴム1はバチバチだ。お互い睨み合っている。


そんな状態なのに、消しゴム1はいっつも俺の横に並ばされている。


最悪だ。


なんでこんなやつの隣に一時間も並ばなきゃいけないのか。


多分お互いそう思ってる。


ふと前を見ると、今日はホワイトボードに何も書かれてなかった。どうやら話を聞くだけの授業らしい。


って、えっ、、


今まで気づかなかったが、あいつの右斜め前に昨日の男子生徒がいるじゃないか。


うわぁ、席まで近いのか、、


ラブコメの大定番要素が一つ増えてしまった。


「おい、お前、昨日のあいつ斜め前にいるぞ。」


消しゴム1が最悪のタイミングで話しかけてきた。


「そんなの知ってるよ。てか、俺も今気づいたんだよ。」


「あいつ席まで近いのか。クソ野郎」


「ラブコメの大定番じゃないか。あぁ、もう」


お互い思ってることは一緒だったらしい。


とその時、消しゴム1が突然斜め前に飛ばされた。


えっ。


消しゴム1は呆然とした顔で宙を舞って、斜め前の男子生徒の足元に落下した。


まさか、、、これは、、、


漫画でよくある好きな人に消しゴム拾ってもらうやつじゃないか。


しかもわざと投げたから確信犯じゃないか。


消しゴム1もそれを悟ったらしい。


男子生徒のことを必死で睨みつけていた。


でも、俺たちにはこれぐらいしか出来ないのだ。


だから、俺も男子生徒を必死で睨みつけた。




「あっ、ごめん。消しゴム落ちちゃったぁ。

拾ってくれない?」


じゃなくて落としたんだろ。


「いいよ。あっ、これか。どーぞ。」


「ありがとう」



あぁ、もう。


消しゴム1は不満そうな顔で机に帰ってきた。


「クソ野郎。リア充なんて爆発しろっ」


消しゴム1は怒っていた。


悔しいが俺も同じ気持ちだ。



あの男子生徒にあいつを取られるわけにはいかない。


そんな気持ちでいっぱいになった一時間だった。







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君に恋した0センチ はるかぜ @automne1013

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