第三話 ライバル登場!?
キーンコーンカーンコーン。
6時間目の終わりのチャイムが鳴った。
あいつは俺を筆箱の中にしまった。
やっと一日が終わった。毎時間あいつの顔を近くで見れるなんて、新手の拷問すぎる。いや〜、でも幸せだ。
これが今日一日の感想だ。
俺の心は幸せで満ちていた。
そんな時、消しゴム1が俺に話しかけてきた。
「おい、お前。お前新入りだろ」
やけにいかつい奴だ。
「新入り?まぁ、そうなるか。」
「お前、あいつに一目惚れしてるだろ。今日一日のお前の態度を見てよく分かった。」
「なっ、なんで分かったんだ。まぁ、そうだよ。俺はあいつに一目惚れしたんだ。それに、俺とあいつは多分運命の赤い糸で繋がってんだよ。」
「はぁ、運命の赤い糸?気持ちわる笑笑
てか、俺も一目惚れしてんだわ、あいつに」
「なっ、なんだと。お前もなのか」
「あぁ、そうだ。ってわけで、新入り、ここは一歩引いてもらおうじゃないか」
「はぁ、引くわけねぇだろ」
「いや、俺の方が先に一目惚れしてんだわ。一緒にいる時間も俺の方が長いし。」
「それがなんだって言うんだよ。こっちはピンチを乗り越えてきてるんだぞ。それにいきなり一軍文房具になれたんだから、お気に入り確定だろ。」
お互い一歩も譲らない戦いが始まった。
「俺だって、一軍文房具3ヶ月目だ。とにかく、お前は諦めろ。」
「はぁ、諦めるわけないだろ。そっちが諦めろよ。」
そんな時、消しゴム2がぼそっとつぶやいた。
「2人ともやめなよ。どうせ結ばれない恋だよ」
「ちょっと黙ってろ」「お前は関係ないだろ」
2人ともそう叫んだ。
その時、筆箱が空いた。
俺と消しゴム1はそっと机に置かれた。
「くそ、なんでこいつと一緒なんだよ」
消しゴム1がそうつぶやいた次の瞬間、前の机に1人の男子生徒が座った。
男子生徒は高身長で、いかにもスポーツやってる系男子だ。
話を聞いてると、どうやらサッカー部に所属しているらしい。そして、あいつはそのサッカー部のマネージャーをやっているそうだ。
そんなたわいもない話をしながら、2人は机をくっつけて勉強し始めた。
あいつとサッカー部の男子生徒の距離はすごく近い。
ちょっと待て。もしかして、、、
サッカー×マネージャー×2人で勉強
これって、ラブコメの大定番じゃん。
ふと横を見ると、消しゴム1も同じことを思っていたのか、前の男子生徒を睨みつけていた。
多分これはどっちかに好意があるに違いない。もしくは、両思いか。
いやいや、そんなはずはない。
そう自分を落ち着かせた。
とにかく、今わかってることを整理しよう。
今わかってることは、恋の四角関係が起こっているということだ。これは、多分変わらない事実だ。
ってことは、どうなっちゃうんだ、俺の恋、、
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