刺さりました。
読んでて共感から羞恥を抱きもしました。
ドラマ、アニメ、ゲーム、小説。
フィクション作品に登場するキャラクターというのは、何の感情をもたらすにせよ、基本的にはエンタメの為にいます。
如何に魅力的であったとしても、観客のラブコールがスクリーンの奥に届くことはありません。
主人公は長年情熱をもって恋をしていたわけですが、好意が一方通行であること、そのキャラクターも一時的に流れるコンテンツでしかないという現実を思い知るわけです。
多くの人が通ってきた道かと思われますが、彼は生真面目だった。
上手く割り切ることが出来ない。上手く切り替えることが出来ない。
態度や心情から不器用さや熱意が出ていて、ただ、今さら現実的な冷めた目線をやめることも出来なくて。
それが「俺の嫁」というよく考えると小恥ずかしいフレーズに集約されているというか。
色々と思い出させる、良い読書体験でした。