帰還
私たちは今、帝国へと戻っている。
誰が犯人なのかはわからないまま今回の捜索は打ち切られた。
先行部隊は野営の撤去後に帰還するらしく、私とレイアは先に帝国に向かって戻っている。
「結局、誰の仕業かわかりませんでしたね」
「そうだね」
「あの村、アンデッドが異常に多いと思いませんでしたか?」
「そうだよね」
「確かあそこの村は王国に滅ぼされた村ですよね」
「そうだよ」
「隊長もあの村の出身だって」
「うん」
「王国を許せないですか?」
「そりゃあもちろん。今すぐにでも攻撃を仕掛けたいわよ」
「ははは。その時がきたら私がお供しますね」
「うん。その時はよろしくね」
「そうだ。帰ったら私がスイーツを作るのでぜひ食べてくださいね」
「もちろん。レイアのスイーツは美味しいからな」
「もう隊長ったら」
『おかしいな』
ここらへん行きと比べて生物系のアンデッドの多さは変わらないが人型のアンデッドの数が多くないか?
「レイア。行きもこんなにアンデッドは多かったの?」
「そんなことないですよ~」
「だよね」
たしかここはキツ共和国の南側に位置する地方のはず。
盗賊が根城にしている町が複数あると聞いたことがあるから盗賊たちに葬られた商人たちのアンデッドかしら。
何かわかったら報告が来るだろうから
速く帝国に帰ろう。
私たちは上長に村であった出来事を
報告した。
それとキツ共和国の南側で多数のアンデッドがいることについても報告をした。
この件に関してはどうやら上長も全くの初耳だったらしく早急に処理をするとのことだった。
私は報告を終えて自分の部屋に戻った。
『お風呂に入ろう』
シャー―
シャワーで身体を洗い流し、体を洗っている。
彼女は同年代の女性の中でも格別の身体を持っている。
「ふー。癒される」
約1か月ほど向こうにいた疲れをお風呂で癒す。
ヒル君が生きていたら今頃は誰かと付き合っていたのかしら。
その相手が私だったらどれほど嬉しいことか。
まあこんなことを考えても意味はないけれどヒル君のことを考えてしまう。
『私は村であなたに出会ってからあなた以上に好きになった人は居ない』
これまでいろんな男性から告白されてきたがヒル君が隣にいるとき以上に
ドキドキしたことがない。
それにヒル君以外の男性と話してもまったく楽しくない。
それならこのままレイアとお菓子を食べて仕事して話していた方が楽しい。
もう一度あなたに会いたいよ。
プクプクプクプク
顔を水面に着ける。
『あったかい』
私がお風呂の中から顔を上げると目が熱くなり鼻の奥が”ツン”と刺激をした。
そしてなぜかわからないが涙が溢れ出してきた。
『なんで?』
と思い涙を拭くが一向に収まる気配がない。
なんで今になってこんなにも涙が出るの?
『そうか』
ヒル君のことを思い出したからだ。私の大好きだったヒル君。
ヒル君がいない世の中なんて楽しくない。
ヒル君の妹のミクちゃんもこんな気持ちだったのかもしれない。
そう思うと居てもたってもいられなくなって私はミクちゃんの元に向かった。
ピンポン
私はミクちゃんの家のインターホンを鳴らす。
「いらっしゃいミアお姉ちゃん」
「ただいまミクちゃん」
私はミクちゃんに抱き着いた。
ミクちゃんはヒル君の妹であり、私をお姉ちゃんのように慕ってくれる最後の家族だ。
私は小さい頃に両親を失いヒル君とミクちゃんの家で過ごしてきた。
村が襲われた時は私とミクちゃんで遊びに出かけていて、村に戻った頃にはみんな殺されていた。
私が村に帰っている途中に帝国の鎧を着た人たちと帝国の兵士が戦っている所に遭遇して帝国の兵士が私たちを保護してくれた。
帝国の兵士たちが戦っていたのは帝国の鎧を着た王国の兵士で帝国に罪を擦り付けるために帝国の鎧を着て攻め込んだと兵士が尋問をされて吐いていた。
ただなんで村を襲ったのかはその王国の兵士たちも「命令に従った」と言い残し、自害した。
そこから私たちは帝国の学校に通い、ミクちゃんは高等学校の2年生になり私はいま少佐として軍人として働いている。
「ミアお姉ちゃんはご飯食べてきたの?」
「まだだよ」
「じゃあ私は作るね」
そう言いミクちゃんはキッチンへと向かった。
ミクちゃんは料理がとても上手で毎日食べても飽きない程に美味しい料理を作ってくれる。
私たちがこっちに来た当初はミクちゃんが
料理担当で私が家事を担当していたな。
『懐かしい』
トントントントントン
『んー。なんというか、これは将来いいお嫁さんになるな』
私がミクちゃんの背中を眺めていると
「ミアお姉ちゃんどうかした?」
私の視線に気がついたらしく言葉にしてきた。
「いいや。ただ、いいお嫁さんになりそうだなって」
「そんなことないよ」
ミクちゃんは照れながら返してきた。
私が男だったら今の顔でもう。
それと同時に美味しそうなお肉の香りがしてきた。
「できた!ミアお姉ちゃん、これ運んで」
と、私は肉料理を食卓の上に運んだ。
食卓には肉料理とサラダとスープがある。
「「いただきます」」
肉料理は肉を塊のままオーブンで焼いているおり、中は生になっているためローストビーフみたいな食べ方をする。
パク
「美味しい〜」
「でしょう!」
肉は口に入れた瞬間に溶ける様になくなっていった。程よい温度管理だったからか肉自体が硬くなることがなく塩が少し効いているためお肉が進む。
パクパクパクパクパク
「あはははは」
突然ミクちゃんが笑い出した。
「どうしたの?」
私が質問すると
「そんな焦って食べなくていいよ。お肉は逃げないから」
私は急に恥ずかしくなり顔を真っ赤にして俯いてしまった。
つい、癖で速く食べようとしていた。
軍にいる時は食事の時間が決まっているため気が付かない内に速く食べる癖がつく。
「ミアお姉ちゃんは今日泊まって行くの?」
「いいや、帰る予定だけど」
「そうなんだ」
そう言うミクちゃんは少し暗い表情になった。
「やっぱり泊まって行く!」
パァーーー
そう言うとミクちゃんの顔が先ほどとは比べ物にならないほど明るくなった。
「やった!」
『かわいい』
そこからご飯を食べ終わると私たちは睡眠についた。
チュンチュンチュンチュン
鳥のさえずりが聞こえ隣を見ると無防備な女性(ミアちゃん)がいる。
『かわいい』
私は欲のままに可愛い顔についた大きな2つのメロンを揉む。
モミモミモミモミ
最初はなんの反応もなかったが揉み続けていると声が少しだけ漏れてきた。
「ん、あ、んんん」
良い反応をするな。もっとイタズラしたくなっちゃう。
今度は固くなった場所を重点的に触っていると少しづつ顔が緩んできたのがわかる。
『面白い。なんだこの反応は!!』
楽しくなり行為がエスカレートして行くと
「ん、あん。や、辞めて!」
パッとミクちゃんが目を覚ました。
「おはようミクちゃん」
私はキメた顔で言ってみた。
「もう!ミアお姉ちゃん」
もみっ
ミクちゃんが私の胸を掴み返してきた。
「お返し♡」
ミクちゃんは触り方がいやらしいからか私も声を我慢するのがキツくなる。
「ん、んん」
手で口元を隠してしまう。
「おねえちゃんここ弱いんだ」
弱点を見つけてしまったミクちゃんは先程の仕返しとばかりにどんどん責めてきた。
「もう、もうやめて(泣)」
私の声は届かないのか激しさが増す。
バン
誰かが玄関を開けたので私が見に行くとそこにはレイアが立っていた。
「ここにいたのですね」
後ろからミクちゃんが顔を出し、何かを思い出した様につぶやく。
「あ、玄関閉めるの忘れてた」
ミクちゃんはたまにドジをする。
「おはようございます〜」
「おはよう」
「隊長。仕事が入ったので今から行けますか?」
仕事か。
仕方がない行くしかないよな。
「わかった。行くわ」
そう言うとすぐに準備を済ませ家をでた。
「じゃあまたくるね」
「うん!お仕事頑張ってください」
ミクちゃんの眩しい笑顔の中、私は仕事に向かった。
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