魔法
あれ、ここはどこだ?
「ヒルご飯だよ」
なんでかは分からないが暖かい気持ちになる。
「ヒルご飯できたよ」
目を開けると目の前にはお父さん、お母さん、妹のミクと友達のミアがいた。
「何をぼけっとしてるの」
「ヒルご飯食べよう」
「お兄ちゃんご飯だよ」
ん?俺が見ていたのは夢だったのか?
俺は今日見た夢のことを話してみた。
「何言ってるの?そんなことあるはずないでしょ」
母さんが言う。それに続きミアが話した。
「そうだよ。帝国がそんなことするはずないって」
「そうだよね」
全部悪い夢だったのか。
「そ…..な….」
何か聞こえる。俺は母さんたちを見るがこの声には気づいてない。
「そ..なは…い」
「そんなはずない」
そりゃあそうだ。俺は目標を達成するために生き返ったのだ。
「そうだよ」
目の前には先ほどいたみんながいなくなり母さんだけが立っていた。
「ヒル。あなたにはまだやることがあるはずだよ」
『そうだ』
「だから精一杯生きてきな」
その言葉と共に母さんの姿がなくなり目の前が真っ暗になった。
パラパラパラパラ
その音が鳴った瞬間に俺は目を覚ました。
体が痛い。目の前には何もいない。
どうやら盗賊のアジトまで吹き飛ばされたようだ。
ドラゴンはどこに行った。
俺は瓦礫の中から這い出た。
「ケル、ベルどこにいる?」
返事がない。
「サモン」
召喚術を唱えた。
するとケルとバルと共にネクロとドラゴンが召喚された。
『え、ネクロとドラゴンも来るのかよ』
ケルとバルはイキイキとしている。
ネクロはどういうことなのかわかっていない。
ドラゴンはまだこちらを敵対した目で見てる。
「主、これはどういうことですか?」
俺はネクロにドラゴンのことを話してこれまでの経緯を簡潔に話した。
「ああ、そういうことですね。でしたら召喚解除したらいかがですか?」
「召喚解除?」
「はい。解除対象をしていしてヘルメスと唱えれば解除できます」
俺はドラゴンを見た。
「ガォオオオ」
ドラゴンが炎を吐いてくる。
「ヘルメス」
パァアアンン
ドラゴンが弾けた。
ネクロの話によると自分自身が作り出したアンデッドは任意のタイミングで召喚解除を行うことができるらしい。
しかし一度召喚解除してしまうともう1回同じ素材で召喚しても同じモンスターが生まれるかはわからないらしい。
だから召喚解除を行うときは慎重に決めた方が良いと。
それに今のバル・ケル・ネクロに使った場合、俺との記憶もすべて無くなってしまうため本当に必要な選択なのかは考えて使う必要があると言っていた。。
ドラゴンは元の死体に戻った。
『俺一人では絶対に食べきれないな』
「ケル、バル、ネクロ食べてくれ」
俺はケル達とドラゴンだったものを食べた。
「ネクロ、なんでこんな強いアンデッドが生まれたんだ?」
「そうですね。多分、魔力が高い死体を1回の召喚で複数体入れていたか、大量の死体を使って召喚したために強力なアンデッドが生まれた可能性があります」
「そうか。説明ありがとう」
強いアンデッドを作り出すには強い奴の死体を大量に使うと良いのか。
ただ召喚者よりも召喚されたアンデッドの方が強い場合、敵対して攻撃を仕掛けてくることがあると言っていた。
『もっと強くならなくては』
俺たちは共和国に戻った。
「盗賊退治、お疲れ様でした」
「おお」
「これでまたランクが一つ上がりますね」
「ありがとう」
俺はギルドランクがシルバーからゴールドになった。
ギルドランクは上からダイヤ、プラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズになっているらしい。
その中で俺はちょうど真ん中のゴールドになった。
「そういえば今回は南に行ってもらいましたが、北にも複数の盗賊団がいるのですが依頼を受けてもらえないでしょうか?」
「うん。全部頂戴」
「ありがとうございます」
出された依頼証を見る。
どうやら今回の盗賊団は前回の盗賊団よりも凶暴性が高いらしい。
フハハハハハ。楽しみだ。
もっと強くなりたい。
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