ミア

私は今、机で大量の書類を相手にしている。

私の帝国で軍人をしている。軍人は近接戦、魔法の総合能力が高ければ高いほど優秀とされており私はそこで少佐をしている。


少佐になれば多くの部下を持っているが昨日、元王国の領土である地域に向かった部下2人といまだに連絡が取れないと言う情報が入った。


この地域は私がずっと好きだった人が住んでいた地域で私も戦争が終わった後にその地域に彼が生きていると信じて向かったけど死体として見つかった。


話は戻すけれど部下2人の消息が掴めないことで軍の内部では亡霊の仕業とか霊的な現象だという噂があるけどそんな馬鹿馬鹿しい。

もし彼が亡霊として私の前に現れてくれたら嬉しいのに

とずっと思っていたりもする。


ガチャ

「隊長〜」

突然部屋に入ってきたと同時に気が抜けた声が聞こえる。

「クッキー食べてください」

私の部下のレイアだ。私の隊の副隊長をしている。

「食べるけど後ででいい?」

「今じゃないとダメですぅ〜」

そう言うとキラキラした目で私を見つめてきた。

「隊長昨日から顔色悪いですよ」

どうやら彼のことを引きずっていたと同時に部下のしょうそくがわからないことに相当疲弊していたらしい。

「ありがとう。頂く」


サクッといい音が鳴った。甘いけれどレモンの風味があり口当たりが軽くさっぱりして食べやすい。

「美味しい」

「ありがとうございます♪」

私が何枚もクッキーを食べる姿を

レイアは満面の笑みで見ている。

レイアは私より5歳上だからなのか

姉妹のように接してくれる。


「そうだレイア」

「なに〜」

「これお願いしていい?」

そう言って書類を渡した。

彼女は怪訝そうにその書類に目を通して私を見た。

「なんで知りたいんですか?」

「彼の産まれた場所だから」

「そうですか、わかりました」

この言葉と共に彼女は部屋を出て行った。


私も野暮な女だな。過去を引きずり前を向けない。

もし彼が生きてたら今の私を見てなんで言うんだろうか。


サクッ

私は考え事をしながらクッキーを摘んだ。

「ほんと美味しいな」

この部屋を出た所でミアの言葉が聞えたのか女がにこやかに微笑んで部屋の前を去っていった。



俺は今、帝国と王国の中間地点にあるキツ共和国にいる。

「ヒルさん。この間は盗賊の討伐ありがとうございました」

「ああ」

キツ共和国は小さな国だが商業国家であるため盗賊が多く、商人に被害が出ているため国がギルドと呼ばれる商会に依頼を掲載することで護衛や討伐の依頼が毎日多く掲載してある。


ここにきて1ヶ月ほどが経った。

強くなるために食べなければいけないがここの居酒屋や食堂が美味しすぎて毎日行っている。外見はどうやら人間の頃とどうやら変わらないらしいので食事の時は仮面を外している。

ただ片目がないため眼帯は外すことができない。

そのためいつもフードを被ってローブ姿で眼帯と仮面をつけている。


今回受ける依頼は共和国の南によく現れる盗賊の討伐らしい。


「嬢。これ受ける」

「わかりました。」

彼女は微笑んで紙を受け取った。

「登録完了しました。お気を付けて」

俺は嬢にヒラヒラ手を振りながら出ていく。


すると外に柄の悪そうな連中が俺を待っていた。


「おやおやこれは最近噂の新人くんじゃないですか」

「そうだね。新人くんちょっと俺たちに付き合ってくれない」

そう言うと俺の周りを取り囲むように集まってきた。

「いいですよ」

俺の言葉と共に連中は国からでて少しした森へと歩みを進めた。


森に着くと

「てめぇ調子乗ってるらしいじゃねえか」

「痛い目に追うぞ小僧」

「先輩たちが優しく教えてあげるよ」

そう言うと1人が左手で殴りかかってきた。俺はそれを受け流し心臓をくり抜いた。


ボタボタボタボタ 

ドサッ

男から血が大量に吹き出て男だった物が倒れ落ちる。


俺はそのくり抜いた心臓を連中のボスっぽい人物に投げつけた。

「おおおおおおお前」

ボスっぽい人は膝がガクガク震えている。

「ボ、ボス。こいつヤバイです」

ボスの取り巻きもさっきまでの威勢がなくなっている。


「あれぇ、先輩方どうしたんですか?こんなに弱いのによくギルドに入ってますね。もっと強くなってからの方が良かったんじゃないですか?」


だれでも分かるような煽りで何人かピキったようで俺に殴りかかってきた。

「遅いって」

俺はそう言い

1人目2人目3人目は首を斬り落とし襲いかかってきた他の人は心臓を獲った。


「ニード」

針の様に鋭い魔法を飛ばしてボス以外の周りの全員殺した。


そして俺は左手に心臓を食べる。

グチャグチャ

「お、お前何をしてる」

ボスは震えながら聞いてきた。


「食べてる」

何を普通なことを聞いているんだ。

「ば、化け物」

「にんげんやめたからね」

俺がボスの方向に歩みを進めるとボスはビビったらしくお漏らしをした。


「た、た助けて下さい」

「やだよ。君たちが先に手を出したじゃん」

「許してください。なんでもしますから」

「あー、わかった」

「本当ですか!」

ボスは嬉しさのあまりからか先ほどよりも声が高かった。


「うん。こいつらの餌になってよ」

俺はアンデッドの騎士バルと犬のケルを召喚した。

ガルルルル

腹を空かしたケルはよだれを垂らしてボスに近づく。

「たすけ」

ガブッ

グチャグチャ


ケルが我慢できずに食べた。

グチャグチャバキバキ


もっと焦らして最高の顔を見たかったがしょうがない。

バルも周りに散らばっている死体に貪りついている。

美味しそうに食べちゃってるケルを横目に俺は死体の心臓だけ全てを食べ尽くし後はケルとバルに譲った。


しばらくするとケルとバルの身体に変化が訪れた。

ケルは筋肉質で大きな身体を手に入れ、バルもボロボロだった鎧が立派な鎧をきた騎士の姿になった。

どうやらケルもバルも俺と同じく進化するみたいだ。

そこから俺たちは跡形もなく全部を食べ尽くし

次に盗賊の討伐に向かった。

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