変化

ザーザーザァーザザザザー

重い足を引きずり歩く。


どれくらい歩いたかわからないが今目の前にはモンスターの死骸が落ちている。

俺はそのモンスターの肉にかぶりついた。


ガブッ

「ウェエエエエエ」

死臭が漂っており鼻にこびりつく臭いが口に入った瞬間に勢いを増して

喉奥に届く。

だが強くなるには食べるしかない。


グチャ、グチャ、バリ、バリ。

『硬い。歯が折れそう』

グチャ、グチャ。

『美味しくない。焼いたお肉が食べたい』

グチャグチャバキバキ

『骨硬いな』

バキバキバキバキ

『全然お腹に溜まらないよ』

バキバキバキバキバキバキバキバキ

『モンスターって骨多いんだな』

最後にこのモンスターの心臓を食べた。

グチャグチャグチャグチャ

「心臓って案外美味しいな」

ボソッと思わず声が出てしまった。

心臓を食べ終わると急に身体が熱くなる。

『なんだこれは』

最初はお腹周りが熱かったが次第に全身にその熱さが回ってきた。

『熱い』


俺は全力で池に戻る。

まずいこのままでは生き返ったのにまた死んでしまうかもしれない。

そうなれば俺が生き返った意味がなくなる。

どうにかして身体を冷まさなくては!!


俺は池に飛び込んだ。

ジャバァン

『涼しい』

全身の熱さが引いた所で池を出るとさっきとは比べ物にならないほどというか、

生前の頃と変わらないもしくは生前よりも軽い身体に戻っている。

俺が手や足を確認するとさっきまで所々見えていたはずの骨が見えなくなり筋肉が少し着いたような気がした。


それに先程は感じきれなかった周りの生物の大体の場所がわかるようになった。

どうやら俺は魔力をもたらしい。

魔力は魔法を使うために必要なものであり大体の生物は魔力を持っている。


『最速で強くなるために食べまくるか』


俺はこの体の軽さを活かしてモンスターがいる方向へと駆け出した

「ヒャッフー」

ズバッン

ガブガブ

ザシュッ

バクバク

捕まえては食べてを繰り返すとまた全身が熱くなっていることに気がついた。


熱さが引くと今度はまた筋肉が少しつき、モンスターの強さが測れるようになった。

さっきまではモンスターが近くにいることがわかるのでとりあえず向かってどう見ても勝てなさそうな場合ば全力で逃げて勝てそうなモンスターだけと戦っていたが今度からは自分が勝てそうなモンスターの元へ行けばいいので進化が楽になるだろう。


俺はとりあえず池の周辺でモンスターを食べまくった。

しかし、身体が熱くなり沢山の進化するを繰り返すにつれて食べる量を増やさなければいけなくなり、ついに前回の進化から1週間を経っても進化しない日が続いた。


どうやらここで進化をするのは効率が悪いようだ。俺は改めて自分が生きている目的を考えた。


帝国を滅ぼすことが俺の目的だが、1人で国を倒すのは現実味がないのでとりあえず仲間が必要と考えた俺は俺が埋めてあった場所へ向かう。


俺は埋まっていた場所を木の棒を使い掘る。

しかしそこには俺以外の死体はなかった。


「ここら辺で最近モンスターが次々に倒されているって報告があったな」


!!!

俺は急いで近くの草木に隠れた。どうやらどこかの兵士が来ているみたいだな。


「誰がそんなことをしてるんだろうな」

「さぁな。ここには昔、村があったというからそこの亡霊かもな」

「おいおい。幽霊がモンスター狩りしてると言うのかよ」

「そうかもな」

兵士が姿を見せた。俺はモンスターは探知できるようになっていたがこの兵士たちは探知することはどうやらできたらしい。


あまりにもオーラが弱かったため気がつかなかった。


俺は2人の兵士を斬殺した。

1人は首を斬り落としもう1人は心臓を引っこ抜いた。

俺はその心臓を食べる。

グチャグチャ

「美味しい」

久しぶりに美味しいものを食べた。モンスターは臭みがあっていくら食べても慣れることはなかったがどうやら人間は美味しいみたいだ。


俺は2人の兵士を全部食べた。

『ごちそうさまでした。美味しかったよ!』


彼は微笑みながらノリノリで兵士達が来た道を進んで行った。


生きていた頃と同じ姿を手に入れて。

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