第三再生 学校一の美少女がファン.....?
「おはよう。クソ野郎」
「朝っぱらからめっちゃ失礼だなテメェ。玉峰」
「お主はクソ野郎だ。うむ」
「おう。俺の義妹との関係なら死ね」
何だって朝っぱらから死ねとか言われなくちゃいけない。
俺は考えながらオタク友人の玉峰渚(たまみねなぎさ)を見る。
玉峰はジト目で俺を見ていた。
高一の頃から仲良くなったそばかすが特徴な友人だ。
「羨ましいよな。マジに。義妹とか?羨ましいわ」
「そんな良いもんじゃないって。義妹との関係ってな。お前が想像しているよりも地獄だぞ」
「まあそうだけど」
玉峰は義妹を羨ましがるが。
俺は義妹とはそんな関係では無い。
なので説明しているがこの様にたまに弄られる。
俺は額に手を添えるしかない。
「でも確かに羨ましいもんじゃ無いと思うよ?玉峰くん。アハハ」
「まあ冗談で弄っている部分もあるけどな」
「そうかよ」
「.....大切にしているか?義妹ちゃんは」
「そうだな。オメーに言われんでも大切にしている」
そんな感じの会話をしながら俺は席に鞄を置く。
それから苦笑しながら玉峰の頭を捻って弄る。
ったくコイツは、と思いながら。
そして、イデデ!、と言う玉峰を見る。
すると玉峰が、あ。そうだ、と声を上げる。
「そういや.....知ってるか?最近人気のVチューバー」
「.....え?.....あ、ああ」
「りゅーのチャンネルって言うんだけどさ。何か人気らしいな」
「そうだな.....そうなのか?」
「ああ。俺もたまに観るけど.....しこたま可愛いよな。りゅー」
「.....まあそうだな」
当然だが俺と芽美以外はこの事は知らない。
その為に俺はその話題が出る度にドキッとする。
俺は考えながら苦笑いで玉峰に対応する。
んでこの前何だか知らないけど.....クリエイターとコラボしたんだよな、と頷きながら言ってくる。
「まあ何つーか.....アニメ声で可愛いよなぁ.....」
「そうだな。.....確かに可愛いと思う」
「んー。俺もやってみるかぁ.....Vチューバー」
「それは.....如何かなって思うよ。大変だよ?Vチューバーって」
「おいおい長住ちゃん酷いなぁ。でも現実問題そうだとは思っているけどな」
「だよ〜。うん」
そんな会話を聞きながら。
俺はホッとしていた。
何故なら話題が逸れたから、だ。
やはり声を加工した方が良かったかな、と思ってしまう。
そして俺は心臓をバクバクさせながら.....2人を見ていた。
「そういや大和の声って何か似てね?Vチューバーのコラボした奴と」
「気のせいだろ。そんな似てない」
「.....そっか?.....まあ良いか」
やはり声を加工しよう。
次から出る時は、だ。
そう思いながら.....授業を受ける。
それからトイレに行った時だった。
銀髪碧眼の美少女に話を聞かれ.....!?
誰だ!?
☆
「私の名前.....サチ・クリスティーンって言います」
「.....そうか.....え?.....その様な方が何故俺に話し掛けて.....?」
「初めましてですね。2年生です。.....特待生でもあります」
「.....ああ。という事は特進生.....」
銀髪で碧眼で。
しかもかなりの美少女に話し掛けられた。
サチというらしいが.....めっちゃ美少女なのだが。
どうなってやがる。
俺の人生でこの様な娘と共通点は無い。
思いながら.....俺は目をパチクリしながらクリスティーンを見る。
「.....挨拶もそこそこに。.....私、Vチューバーのファンなんです」
「.....そ、そうなんだ。.....えっと。どういうVチューバーのファンなの?」
「私はりゅーちゃんのファンです。.....それで貴方にお聞きしたい事があります」
「.....お、おう」
「貴方はもしかしてこの前出たクリエイターさんですか」
心臓が止まりそうになる。
俺は慌てて否定した。
そんな筈は無いぞ、と。
すると、しかし.....同級生の中でも噂になっています。もしかしたら?、という感じで、です、とクリスティーナは言ってくる。
「.....これはまことではありませんか?」
「気のせいだ。.....俺に似た声なんて多数居るよ。有難うな。そう言ってくれて」
「.....そうですか.....」
かなり落胆し、しょんぼりした感じで去って行くクリスティーナ。
と同時に頭を叩かれた。
どうなってんだ!何でお前は学校一の美少女と話してんだ!、と玉峰に。
この馬鹿殺す。
本気で叩きやがったな!!!!?
最近流行りのVチューバーをやっていた義妹に誘われたので出演すると.....。 アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou
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