第19話 十九
「もしかしてまだキスして欲しいのですか?」
そう聞くと、恥ずかしそうに頷いたのを見て微笑んであげながら、もう一度キスをしてあげることにしたのです。
最初は、啄むような軽いキスから始まり次第に深く激しいものへと変わっていきました。
そうしてお互いに夢中になっていったところで彼が、唐突に口を開きました。
その言葉を聞いた瞬間驚きのあまり硬直してしまったものの気を取り直して聞き返すと、
とんでもない言葉が飛び出してきてさらに固まってしまいますが、すぐに持ち直して彼を説得しようと試みますが
上手く行かず困り果てていました。
しかし、そこに思わぬ助け舟が入り何とか難を逃れることができたのです。
その後彼と話し合いをした末に結論が出たので、そのことを彼女に話してみると彼女も快く了承してくれまして早速実行に移すことになりました。
とはいえ、まだ準備が出来ていないとのことですので、暫くの間時間をおくこととなりました。
その間何をするわけでもなくのんびりと過ごす日々を送りながらも、
彼女と色々なことを話したりして有意義に過ごしてきた結果いよいよその時がやって来ました。
彼女は、緊張しているのかいつもより落ち着きがなくソワソワしていた為、
心配になった彼が声をかけてみるが返ってきた返事は、大丈夫という素っ気ないものでしたが、
それがかえって不自然さを感じさせていたので彼女のことが気になった彼は、
聞いてみる事にしたのだが、はぐらかされてしまったのでこれ以上聞いても無駄だろうと思い諦めることにしたの。
そして当日を迎えることになったのであった……。
その日の夜、聖羅はいつものように夕食を済ませた後お風呂に入りに行き帰ってくる頃には、
彼はもう寝るところだったようで寝室に向かったようだったので自分も後を追う形で向かうと、
彼は先にベッドに入っており布団を被って横になっていたので静かに近寄ると彼の上に跨り抱きつきながら眠りについたのだった……。
「おやすみなさい」
そう言いながら眠る彼女を見て微笑むと、自らも目を瞑ったのだった……。
そして翌日目を覚ました彼は隣で眠っている彼女を起こしてあげたのだった……。
それから朝食を食べた後に出発の準備を済ませてから家を出る前に挨拶を済ませておいたのだった……。
その際に彼女から渡された手土産を手に家を後にした彼は自宅へと向かう道中、
彼女から貰ったお土産を見てニヤけてしまいそうになる顔を必死に堪えていたのだった……。
そして無事に帰宅を果たした彼は出迎えてくれたメイド長へ報告を終えると自室に向かい着替えを済ませると、
昼食までの間ベッドで寝転びながら寛いでいたのだった……。
「そろそろかな」
そう言うと徐ろに立ち上り身支度を整えると、部屋を出るのだった……。
そして、広間へ向かう途中執事から声をかけられ用件を聞くのだった……。
それを聞いた俺は心の中で舌打ちをしながら返事をするのだった……。
するとすぐに行くと答えてその場を後にするのだった……。
それから少しして目的地に到着した俺が中へ入るとそこには、彼女がいたのだった……。
彼女を見た瞬間身体中を駆け巡る熱を感じつつもそれを悟られないよう気をつけつつ平静を装い話しかけるのだった……。
彼女が答えるよりも先に言葉を発する俺だったが、それに対する反応はあまり芳しくなく会話が成立しないことに対して苛立ちを覚えつつも、
「いや、いいんだ、それより、君に伝えたいことがあるんだ……」
と言うと真剣な表情で見つめる俺を見て何かを察してくれたらしく、頷いてくれた彼女をみて安堵しつつ口を開くのだった……。
すると今度は、先程とは打って変わり真剣な顔で聞いてくれている様子をみて少し照れくさくなったが、意を決して話を切り出したのだ。
何故か頬を赤らめ俯いている彼女の様子に疑問を抱き問いかけてみると、まさかの展開となり驚いてしまうことになるのだった……。
だが、そこで新たな問題が浮上してしまい頭を抱えてしまうことになってしまうのである……。
なぜなら、なんとこの後一緒に出かけないかと言われてしまったのだ…………しかも行き先を聞いてみると、どうやら服を買いに行きたいらしく、
その為に俺の好みや服装などを聞きたいらしい。
それを聞いて思わず嬉しくなり、ついテンションが上がってしまったが、ここで舞い上がり過ぎて引かれてしまっては、
元も子もないので気持ちを落ち着かせるようにして気を引き締めたうえで改めて問いかけると、二つ返事でOKしてくれた為にホッと胸を撫で下ろすのだった。
その後、一旦部屋に戻って外出する旨を両親に伝え出掛けようとしたところで後ろから声がかけられた為振り返ると、
そこには兄の姿があったためどうしたのかと尋ねてみたところ、どうやら父に用があるらしく呼びに来たらしかったので
急いで行くことを伝えたあと待たせてしまっているであろう彼女の所へ向かったのであったが、その際兄がボソリと呟いた一言を聞き逃さなかったことで
嫌な予感を感じたものの、どうすることも出来ず諦めるしかないのであった……。
仕方なく待つことにした俺と聖羅は店に着くまでの間に、お互いの事を色々と話し合ったりしながら
歩いている内にいつの間にか目的の場所に着いていたので、店の中に入ることにするのでした……。
「いらっしゃいませ~」
店内に入ると店員さんの明るい声が聞こえてきたと同時にこちらを見た途端に驚いた表情を見せたかと思えば、そのままフリーズしてしまうのでした……。
そんな店員の様子を訝しみつつも、何かあったのだろうかと思いながら様子を伺っていると不意に肩を叩かれ振り向くと、
そこには笑顔の店員さんがいたのを確認して話しかけようとするよりも早く口を開いたかと思うと、
いきなり大声で叫び出したことに困惑しつつも聖羅の方を見ると同じように、驚いている様子だったので落ち着くまで待ってから話を聞くことにしたのであった……。
その結果分かったことは、なんでも以前働いていた時のお客さんだったらしいということであり、久しぶりに再会できた喜びから
大はしゃぎしてしまっていたということを申し訳なさそうに謝られた俺達は、怒るどころか微笑ましく思いながら許してあげることにしたのだった……。
「ありがとうございます」
そう言って何度も頭を下げられながらお礼を言われた俺達だったけれども、そこまでしなくてもいいよと言って
止めさせてから顔を上げたタイミングで声をかけることにしてみたが、やはり恥ずかしいのかなかなか目を合わせてくれなかったために苦笑いしながらも、
それでもめげずに声をかけ続けるのだった……。
そして、なんとか視線を合わせてくれることに成功した後、本題である買い物をすることに決めた後で案内してもらった場所で待っている間も、
終始無言だったこともあり不安になってきたがそれも束の間のことだけで、いざ会計となった際にはしっかりと対応してくれてホッとしたのは
言うまでもありませんでしたが、支払いを済ませる時にも一悶着あったりしたのですが、そうして無事買い終えた後は、
当初の目的を果たすために洋服屋に向かうのですが、その前にお昼ご飯を食べることにして近くのカフェへと向かいました。
(さて、何を食べようか?)
メニューを見ながら悩んでいると、何やら視線を感じ顔を上げると、ニコニコしている彼女の顔が目に入った為、
慌てて顔を逸らすとそのまま黙り込んでしまいました。
そんな俺のことを不思議そうな目で見てくる彼女に、なんでもないよと言ったあとに、
適当に注文してから食事が来るまでの間もお互いに見つめ合っていたのですが、やがて運ばれてきた料理を食べ始めたのですが
食べている最中ずっと見られているせいで味がよくわからなかったのですが、そんなことなどお構いなしといった感じだったので、
食べ終わる頃にはお腹いっぱいになってしまったのは言うまでもありませんでしたね……。
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