第一章 エーファ王国編 「クラファン」
さて、気になる”クラファン”のスキルだが、
ウィンドウ内のメニューからクラファンを
選択すると下記の説明が表示された。
正直、これには驚かされた・・・
「クラファン」
異世界から現代へクラウドファンディングを実施できるスキル
・異世界の商品を現代へ出品
├スキルレベルに応じて、出品できる商材・数量が増える
├出品の際に、必ず一つ特定の商材を出品する必要がある(スキルレベルに応じて難易度が上がる)
├出品できる国は、スキルレベルに応じて増える(現在は日本のみ)
・出品する商品金額は市場適正価格で自動で決まる
├異世界での市場金額の相場で価格は設定される(法外な価格設定はできない)
・目標金額は自動で決まる
├スキルレベルが上がるにつれ、金額が増えていく
・ファンディングした資金は、異世界通貨で引き出せる
・出品した商品を購入した人数が、経験値へと置き換えられる
・出品した商品の”お気に入り”の数が、スキルポイントへと置き換えられる
・All in方式でクラファンを実施した場合
├出品した商品は必ず支援者へリターンしなければならない。できなかった場合はペナルティが発生する。
・All or nothing
├目標金額を下回った場合は、支援者へリターン品を発送する必要ない。その場合は目標不達成となり、資金・経験値・スキルポイントも一切受け取ることができない。だが、目標金額以上を達成した場合は、獲得した経験値・スキルポイントは2倍で受け取ることができる。尚、スキルレベルが上がることでこの倍数は増えていく。
【備考】
・メッセージ機能にて支援者からのメッセージを受け取れる(返信はできない)
・クラウドファンディングで支援購入ができる
というような内容だ。
とりあえず、これはあれだ。
まんまクラウドファンディングだな。
異世界でこんなことしていいんか?というレベルだ。
そして異世界仕様へとかなりアレンジされているようなので
じっくり内容を読み解いていこう。
まず前提としての”クラウドファンディング”について説明しようか?
(誰に?というツッコミは野暮なので言わないように)
現代世界の話に置き換えて話すが、
面白いアイディアがあるのだけど、それをやるには資金が足りない。
このアイディアは絶対にヒットするはず!
だから誰かこの想いに”共感”して”お金”をくれ!!
というのが、クラウドファンディングだ。
もちろん資金を支援してくれる人にもメリットが必要だ。
タダで支援なんてもってのほか。
そこでアイディアにお金を支援してくれた人には
”リターン”でその具現化したアイディアを贈る。
俺が現代でやっていたクラウドファンディングの場合で話すと
クラファンで実施した商品をリターンで支援者に贈る、ということをやっていた。
俺にはまとまった資金が入り、支援者には他の人がもっていない珍しい商品が手に入る。
WinWinな関係が出来上がるのだ。
商売をやる以上、どうしても商品を作ると売れなかった場合の在庫リスクがつきまとう。
その時に、クラファンでどれだけ購入数が見込めるか?と、
事前に把握しながら商品を作ることができると、とてもリスクを軽減できるのだ。
そしてその商品をつくるための資金も事前に回収ができる。
零細メーカーに"クラファン"はまさに救いの手なのだ。
ちなみにこういった商品のリターンを前提にしたクラウドファンディングは、
"購入型”と言われている。
もし興味がでたら、是非クラファンに参加してみてくれ!!
(誰にいってるのだ!? と一人つっこむ)
「で、話は戻るわけだけど、異世界から現代に商品を出品できちゃうわけ? これは大問題になりそうだな・・」
ファンタジー世界のアイテムが、現代に現れるわけだ。どんなことになるか想像ができない・・・
気が触れたクラファン実施者として、そもそも目もくれない可能性もある。うむむ・・
「ただ細かいルールもあるようだ。これは実際にクラファンをやってみてから詳しく確認していこう。」
出品ルールや価格づけは、実際に商品を出品するときに要確認だ。
「クラファンで得た資金が、異世界通貨で引き出せるのは有り難い。」
どう引き出すのかは不明だが、おいおいわかることだろう。
異世界でのクラファンビジネス、是が非でも成功させたい・・・
「あとは購入者とお気に入りの数が、まさか経験値やスキルポイントに変換されるとは。正直魔物との戦闘には自信がないからな。もちろん最低限戦う能力も必要だろうけど・・」
できれば穏便な異世界生活を送りたい。
だが、得たスキルポイントで、最低限の戦闘スキルも発掘していこう。
おれにはウィンドウのステータスで、獲得できるサブスキルが選べるのだから。
「他には・・・ 」
とつぶやきかけた所で、ドアのノックが響いた
「コンコンコン!」
「ミク、いるか? ライだけど開けていいか?」
ドアの外から、疾風の狼のライの声がした。
どうやらルーカス商会から戻ってきたようだ。
そして俺のお腹が、ぐぅ〜と鳴るのだった。
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