2-2
「それにしても、あの令嬢は一体何なんだろう……。俺も
そうポツリと
「ダルク様はご自身の
「……『端くれ』であることは変わらないんだな」
「こ、言葉の
「騎士団長の
有名なお父様を持つことは大変なのかもしれませんね。きっとダルク様ならば立派な騎士様になれますわ!
「ピクセル・ルノー様は、もしかしたら鍛錬にご興味があり、鍛錬に交ざりたくてダルク様に付きまとっているのかもしれませんわね」
「やめてくれ! 鍛錬まで一緒かと思うと胃が痛くなってくる……」
必死に
「俺のことは置いておいて、ルイーゼ嬢は……いいのか?」
「え?」
「シルヴィールもあの
そんな情報を初めて聞いて、
一国の王子にまさかそんな不敬まがいのことを堂々としているのだろうか。別の意味で心配だ。
でも、それが許されているのは、シルヴィール様が許しているという意味で――
「全く、何とも思いませんわ。シルヴィール様が全ての方に平等に
シルヴィール様に『特別』はない。婚約者であろうと、
シルヴィール様がそう判断されているのなら、私に言えることなどないのだ。
「あいつも
「え? なんですか?」
「いや、何も言ってない」
「そうですか? あの、それよりもダルク様。シルヴィール様の執務はかなりお忙しいのでしょうか?」
ピクセル・ルノー様については
「……まあ、厄介なことがあってその対応で大変そうだな」
厄介なこと――。
そんな私にダルク様は少し申し訳なさそうに微笑む。
「シルヴィールを気にかけてやってくれ」
「わ、わかりましたわ」
ダルク様の言葉に
そして翌日……じーっとシルヴィール様の行動を観察する。
やはり、様子がおかしい気がする。
常に
よく見れば、
「シルヴィール様」
「……え、何か言ったかな、ルイーゼ」
声をかけても反応が
周りは気付かないほどの
きっと誰にも
「あの、
「……、大丈夫だよ。最近忙しいからかな。体調はいつもと変わらないから、心配しなくてもいいよ」
―― これ以上
「し、心配です! 次の授業まで休みましょう」
「ルイーゼっ!?」
無理やりシルヴィール様の手を
人に弱みを見せたくない彼は医務室では休めないだろうと判断し、人通りが
裏庭には人目がないだけに強固な
「さあ! 少し休んでください。私の
「……っ!? 」
星空のように綺麗なサラサラとした
なんだか
久しぶりに子どもの頃のような、本当のシルヴィール様が見られて……
いやいや、雑念は捨てないと。
私はシルヴィール様の婚約者として彼の体調管理の
少し
「ありがとう、ルイーゼ。お陰で休めたよ」
「いいえ! 婚約者として当たり前の責務を果たしたまでですわ」
「……そう。『責務』││ね。……では教室へ戻ろうか」
一瞬シルヴィール様の周りの温度が一気に下がったような
この感覚は、幼少期以来のアレ!
もしかしたら怒らせたかもしれないと
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