幕間 王子、思案する
①
『――――ちょろい?』
そう彼女に言われ、
ルイーゼのことを知れば知るほど、その
『
ルイーゼの護衛が男だと聞くと心の底に黒い
『ルイーゼの護衛をするように。家族以外の男を決して近付けず、情報は
そう命じていることをルイーゼは知らないだろう。
幼い頃に
クルクルと変わる表情をずっと見つめていたくなるし、
甘やかし、ずっとこの胸の中に閉じ込めてしまいたい。誰にも
自分でも過保護だと思うくらいに大切に囲ってきたが、学園への入学は
私が囲い込んだせいで貴族の友人もいない彼女の学園生活を心配していたが、彼女は自分で友人を作り、先ほども
年々花開くように美しくなっていくルイーゼに余計な虫が付かないように裏から手を回したが、彼女は気付く気配もない。
王族として誰にでも平等に接するために、
その
私に向ける視線には全く
日々魅力的になっていく彼女を
「おい、お前の婚約者、放課後に学園の訓練場で鍛錬してたぞ。しかも鍛錬に協力してくれって言われたんだが……」
「放課後に鍛錬……? ルイーゼはやっぱり
ダルクにそう報告され、私は幼い頃に手のマメについて話していたルイーゼが
そんな私をダルクは信じられない様子で
「シルヴィール、お前ジュノバン伯爵
「当たり前だ。手出しなどさせるわけがない。ダルク、お前に
「
「否と言わせるわけがないだろう?」
幼い頃から共に育った
手に入れたいものは過去も現在も一つだけ――。
「ルイーゼを警護してほしい。交流もあったようだしちょうどいいかな。学園では護衛が付かないから、心配なんだ。
「……お前が直接
「婚約者といえども、表立って彼女だけを特別扱いはできないし、私の周りも安全とは言い切れないだろう?」
そう、できるならば自分の手で護りたい。いっそ誰の目にも触れないよう閉じ込めて私だけのものにしてしまいたいが、それは現実的ではない。
入学式の日、彼女の様子は明らかにおかしかった。ダルク達の頭の上を見つめながら挙動
きっと何か重要な文字を見てしまったに
それに、兄上が留学でナイル王国に不在の今、第二王子である私の周りは
学園は社交界の縮図だ。安全を
その面では、ダルクに警護を
「頼んだよ、ダルク」
「あ―― 、わかったよ。……お前に好かれたジュノバン伯爵令嬢が気の毒でならないな」
最後にダルクがポツリと
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