第9話
今日はいつもと出勤時間が違う。
いつもより遅い。
だからこそ、ゆっくりと眠った。
ふと目を覚まして、スマートフォンを見る。
午前十時だった。
「わぁ、寝すぎた……」
予定では、一時間前には起きて買い出しに行くつもりだった。
そろそろ卵を買っておきたかったからである。
出勤時間は正午。
さすがにキツイ。
私は今日買い物に行くことは諦めた。
その代わり、料理の下ごしらえをしておいた。
正月の煮つけで余っていたレンコンを薄切りし、ニンジンを細切りにする。
そして、椎茸を細く切っておいた。
帰ってきたら、簡単に一品ができる。
私はそう思うと少し満足した。
ちなみに、その料理はれんこんのきんぴらである。
私はきんぴらが好きだけど、ごぼうがあまりにも高かったので、どうしたものかと悩んでいた。
ふとクックパッドで調べたら、れんこんのきんぴらが出てきた。
よし、これだ!
私はそう思ったのである。
さらに、魚を焼いた。
ぶりの切り身を買っておいたから、照り焼きのたれで大好きなぶりの照り焼きを作ったのである。
さらに、余らせていた筑前煮を温める。
夕飯は豪華にしたが、どれも期限がギリギリで大慌てで作ったものである。
ぶりは本当に美味しかったから、また近いうちに買いに行こう。
少し値が張るのが難点でもあるが……、まあそれは仕方ない。
週一位の楽しみにしようと思うし、青魚は体にいい。
私は肉と魚、どちらかと言うと魚の方が好きだ。
そろそろ塩鮭の切り身を買ってきても良いかな、そう思った。
だが、サバやカレイを煮付けにするのも捨てがたい。
煮魚、焼き魚は大好きだ。
「豆腐は明後日までか……、なら、冷凍してあるミンチを使って、豆腐ハンバーグにするのも良いな。添え物は……、明日買おう」
だが、豆腐ハンバーグだけだと味気ない。
もう一品はどうしようか……?
私はしばらく考えることにした。
多少でも、実家で料理しておいて良かった。
私は心底そう思った。
こういった時に、その経験が生きるということを、身をもって体感しているからだ。
「そういえば、胡椒買ってなかったな……。買っておかないと。と言いつつ、調味料が随分と充実してきたなぁ」
私は苦笑いする。
だが、食事はちゃんとしているからまあ良いか。
私はそう思うことにした。
冷蔵庫を見ると、ほうれん草とニンジン、冷凍庫にはもやし。
ゴマを買ってこれば、ナムルができるな……。
私はそう思った。
よし、追加はナムルにしよう。
ナムルは簡単にできるし、実家でも良く作っていた料理の一つだ。
あとは、えんどうなり、いんげんなり、豆類をおひたしか卵とじにしたらいい。
私はようやく献立を決めた。
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