第3話 夜……。
その夜。
わたしはスマホ片手に自室の寄るベッドの上でゴロゴロしていた。そろそろ、寝るか。そう思った時である。SNSのダイレクトメッセージが届く。
『β番ご利用の方にお知らせです。友情度100%にして豪華賞品をゲット』
何だ、これは?つぐみのことか?完全ヒューマノイドのとは何も書いてない。しいて言うなら、友情度ぐらいが共通している。何かに役立つかもしれない、取っておくか。
『テンコン』
『テンコン』
『テンコン』
『テンコン』
つぐみからか……。メッセージアプリを起動して内容をみる。
『こんばんはだよ』
『返事はまだかな?』
『寂しいよ』
『独りは嫌だよ』
だから、連投してきて返事は直ぐには無理だろうに。
ここは返事に困るな、仕方がなく。
『こんばんわ』と、返すのであった。
『よかった、嫌われたのかと思ったよ』
その後は、つぐみとのメッセージ交換での潤滑な会話が続いた。
『明日は昇降口の前で待ち合わせだよ』
『おう、これでお休みだ』
『はーい』
かなりの時間をかけてしまった。速く寝よう。
朝、微睡の中で夢を考察していた。中学生の時の記憶である。ソフトボールの地区大会一回戦に向かう為に、わたしはバスに乗っていた。
「撫子先輩、もう直ぐ着きますよ」
「ああ、晶子か?」
「はいです」
どうやら、バスの中で昼寝していたらしい。皆のクスクスと笑い声が聞こえる。
「おーし、起きたぞ、負けたら、皆でカラオケだ」
「ダメです、練習の続きをします」
「はーい」
晶子のカラオケを止める姿はキリリとしていた。このチームは晶子が加わって変わった。
そう、勝てるチームになったのだ。
―――……。
また、あの夢か、厳しいな。わたしは部屋の中でアラームが鳴っているのに気づく。
「ああああ、遅刻だ」
とにかく、髪だけ直して出発だ。
「お母さん、おはよう、今から学校に行くよ」
「行ってらっしゃい」
そう、わたしの家庭は母子家庭だ。しかし、お母さんはエリートなのでお金の心配はない。遅れた、遅れた、つぐみと昇降口で待ち合わせであった。
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