第13話 シヤvsミチト。
ミチトはシヤを見て「シヤ、俺のスレイブの中で本気で申し出を受けていいと思える子。かかってくると良い」と言うとシヤも頷いて「何をして良い?」と聞く。
「辺りに被害さえ出なければ好きにするが良い。俺は死なない」
「…わかった!ありがとうマスター!サンダーデストラクション!」
ミチトに指南を受けた100人の剣士達が目を見開くような勢いで降り注ぐ雷をミチトは涼しい顔で直撃するものだけを奪術術で無力化する。
ミチトに術攻撃を挑む無謀さに「甘いよ」と言うとシヤは「くそっ!シーシー!予備の魔水晶を貸してくれ!」と言って前に出ると「氷結結界!」と言って氷結結界を放つ。
だが渾身の氷結結界すらミチトは起点を踏み抜いて発動を許さない。
「術にこだわるの?」
「やり切る!俺の中に異論はない!」
シヤはそう言いながらも立て続けにサンダーデストラクションと氷結結界を放っていく。
サンダーデストラクションと氷結結界はミチトの術を見て自分なりに解釈を加えたオリジナルでインフェルノフレイムよりも気に入って使っている。
「無茶な術の使い方をするなって教えたよね?」
「構わない!俺はステップアップをする!この身体でマスターのような術を使えるように変貌する!」
ミチトはいい加減シヤを止めるために「やめろシヤ!奪術術!」と言って術を使わせないようにする。シヤは口惜しそうに「…くっ…ダメだ!俺はマスターの代わりに剣も拳も術も極める!」と言って魔術戦を諦めて前に出ると剣を振るう。
太刀筋は相変わらず見事だが、剣のみで戦うイイヒートやナハトに比べるとやや劣る。
ミチトは涼しい顔で剣を弾いていたが徐々にシヤの剣は鋭くなっていく。
急成長。
これがシヤの能力。
かつてミチトが保護をして再施術する前の記憶。
同じ訓練を受けた術人間のヨンゴとシーナとの戦闘中に急成長を遂げて圧倒をしてしまう。
「やめろ!急成長している!成長限界を迎える気か!?シヤの場合は俺達と違って大地の根で済まない場合があるんだ!」
ミチトは術人間の成長限界を迎えた時、1000年前の真式であるオルドスの導きでオオキーニに作られた大地の根に自身を降ろし繋げる事で問題を回避した。
だがそれは純粋な真式であった自分とオルドスだから出来た事で、魔水晶と無限記録盤を用いて生まれた摸式が真式の条件に合致し真模式になったシヤは成長限界を大地の根で解消できない可能性があった。
その説明を聞いていて、普段は守っていたシヤだが「それでもだ!」と言うと場外に目配せをして「シーシー!来てくれ!アメジスト!サンフラワー!シーナとヨンゴとシローとヨンシーを頼む!」と言った。
普段ならこの場に来ないシーシーも訓練場に飛び込んでくるとシヤと抱き合う。
嬉しそうにシーシーを見たシヤは「シーシー、済まない」と声をかけるとシーシーもシヤを見て微笑んで頷いた後でミチトを見て「ううん。やろう。使って、私の全部はシヤにあげるよ」と言った。
「心強い!シーシーの力で無限ファイヤーボール!ウインドブラスト!俺の力で奪術術に穴を開ける!」
「シヤ!やめろ!」
本気で仕掛けていないと言ってもミチトの奪術術に穴が開き、ミチトめがけて天からコレでもかと火球が降り注ぐ、それは真っ直ぐなものもあれば風の力で軌道が読めなくなっている物もあった。
ミチトはファイヤーインパクトで降り注ぐ火球を打ち落しながら「ちっ!とりあえず話は後だ!シーシーを沈めて引き剥がす!」と言って前に出る。
「シーシー!ここに来たということは攻撃を受ける意思があると取るぞ!」
「いいよマスター!やってよ!これが私だもん!シヤと話した!私はシヤの奥さんでマスターの術人間だもん!」
「くそっ、シーナ達の母親の自覚を持て!」
「やらせない!シーシー!氷結結界!」
「ちっ、シヤが邪魔をする!だが!」
一瞬で距離を詰めるとシーシーを殴り沈めるミチト。
そのまま始まる剣での乱打戦。
「シヤ!君は父親だ!無理をするな!」
「マスターこそ無理をするな!」
「俺はいい!俺はいいんだ!」
「良くない!マスターはもっと楽になっていいんだ!背負わされすぎている!俺達がそれを減らすんだ!」
ミチトは本気で剣を折りに行くがシヤがそれを許さない。
剣の細やかな傷を即座に術で修復していく。
止めるしかないのだがシヤは止まらない。
「気にしていない!いいから術を止めろ!」
「断る!俺達はマスターから沢山のモノを貰った!貰いっぱなしなんて嫌だ!それを返すんだ!」
「シヤ!」
「マスターぁぁっ!」
斬り合えば斬り合っただけシヤがステップアップを果たしてしまうのでミチトは二刀剣術を撃つ為に予備の剣を構えるとシヤも「イイヒート!剣をくれ!」と言い二刀になる。
「俺だって撃てる」
「ちっ、早く沈めないと進化してしまって止まらなくなる!沈めシヤ!アクィ!イブ!ライブ!シヤを殺せなくしてくれ!二刀剣術!六十連斬!」
シヤは必死になって追いつこうとしたが一気に引き離したミチトの六十連斬の前には手も足も出ずに剣を折られて気絶をした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます