第101話 初ダンジョン2
「眩し……」
門をくぐり、光に包まれ目を開ける。
そこは植物のダンジョンとふさわしい蔦が生い茂るジャングルだった。
「うわー!! 何ここ!! 植物一杯!!」
「そりゃ植物のダンジョンだからな」
私がそう言うと父が苦笑しながらそう言った。
「とうっ!!」
私が感激しているとミーリアもやって来た。
「ミーリアも来たな。 まずはここいらで優奈のウォーミングアップするぞ」
「了解!!」
私は張り切って父に向って敬礼をした。
門の入り口近辺は魔物が少なくいわゆるセーフティーゾーンに値するらしい。
ウォーミングアップするには丁度いい場所だ。
魔族が管理するダンジョンはリポップする魔物は知性が無い。
そのせいで魔族も人も関係なく襲って来るらしい。
けれども、ダンジョンマスターと呼ばれる、ダンジョンコアが核になっている魔物は基本的に攻撃してこないらしい。
この植物ダンジョンのマスターはアルラウネ。
コアを作ったのが魔族だからなのかよく分からないけどね。
私も作れるようになるかな? ちょっと楽しみ。
コアを破壊するとリポップせずにダンジョンもろとも消えちゃうらしい。
逆にコアが無事なら復活できるそうだ。
父が持っている地図によるとこの植物ダンジョンの階層は全部で100階らしい。
……深いよ!!
このフロアだってジャングルじゃん!! こんなの100階まであるの?! アイテムバックとかないと無理だよ!!
ちなみにアメリカに出たLv2のダンジョンは50階らしい。
なんかLv1のダンジョンをクリアした場所に出るらしい。
クリアできないからと言って何か不利益は無いってミーリアは言っていた。
でもLv2がクリアできないからといってLv1が再び出るとかもないらしい。
出すことをしないというのが本当というか……。
なんか最初にセットした仕様がそうだとかなんとか。
今躍起になって各国でLv1クリアしようとしてる気がするんだけど。
そんでもってやっとこさクリアして、ダンジョンLv2が出て、敵が強すぎて手詰まりとかならないかな、ってちょっと思った。
しかもほったらかしにし過ぎると魔物がスライムの時みたいに溢れるらしい。
あの門に表示されていた100って数字が目安みたい。 スライムだから皆ワイワイ楽しめたけどLv2のダンジョンのって……ヤバくない? って思った。
それは置いておいてこのフロアにはなんと下級解毒薬の材料のダークヴァイパーが出るらしい。
しょっぱなから蛇だよ。
私魔物と戦ったことないんだけど、初戦がダークヴァイパーって凄くないかな?
まずはミーリアが捕まえて来てくれて実物を見せてくれた。
体長が5m程の毒々しいまだら模様のでっかい蛇。
こんなでっかい蛇見たことないよ!!
ミーリアが素手で持ってるけどめっちゃ暴れてる。
ミーリアに巻き付こうとするたびにブンッと振り回され遠心力で伸びたところを地面に叩きつけられて目を回してる。
凄い音がしたけど目を回すだけで済んでるところを見るととても頑丈なのがよく分かる。
「まぁ、首を落とせば大抵の魔物は死ぬ。 こんなふうにな」
父が持っていた大きい鉈のような物でダークヴァイパーの首のあたりを狙う。。
その鉈は切れ味がとても良いらしく、ダークヴァイパーに当たると刃がするりと何の抵抗もなく入り首と胴体を泣き別れさせた。
絶命判定が下ったのか、途中で光に包まれダークヴァイパーは消えてしまった。
光りが消え残されたのはダークヴァイパーの肝と皮。
「肝が浮いている……!?」
皮はそのまま地面に置かれているのに肝はふよふよ浮いていた。
なんで?
私が目を丸くして驚いていると、
「そう言う仕様だ」
「ダンジョンの不思議の一つだヨ」
父とミーリアにさも当然という風にそう言われた。
なるほど分からん!!
父による見本が終わるとミーリアが煙のように突然消え、もう一匹ダークヴァイパーを連れてきた。
ミーリアによって再び瀕死の状態になるダークヴァイパー、弱ったところを尾の方をミーリアが、頭の方を父が押さえる。
「優奈、首の所を狙ってやってみな」
「わ、分かった」
手に持ったナイフの柄をギュッと握る。
2人に手ほどきを受けドキドキしながら初討伐を行う。
殺生することにもっと抵抗感があるかと思ったけどそんなことは無くあっという間に終わった。
光りになって消える演出や、手ごたえの無い切れ味過剰な武器、ダンジョンでリポップするという特性を父やミーリアから話を聞いたせいでゲーム感覚になったのかな。
ちなみに刃を入れる時に切れ味が良すぎるせいか通販番組を思い出したよ。
見てこの切れ味!! 凄いでしょ!! 何でも切れちゃうよ!! みたいな感じ。
ここに居る魔物達は一見すると生きているように見えるんだけどな。
いや、生きているんだろうけれども。
ダンジョンで作られた物だからかな?
うん、不思議だ。
……まぁ、不思議でもいいや。
思う存分材料集めが出来るぞとやる気に変換された。
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