第102話 初ダンジョン3


1階にはダークヴァイパーとフォレストバードが出るらしい。


私のレベルは66。

このLv3のダンジョンの適性はレベル80かららしい。

しばらくは私に合わせてここで私のレベル上げや薬作りをすることになった。


過剰な防御と過剰な武器、過剰な護衛のお陰で難なく過ごすことが出来た。




1週間もするうちに私のレベルは75まで上がった。


適正レベルには少し足りないけれど、一人でも難なく討伐できるようになった。

もちろん装備品のお陰もあるけれどね。


私が一人でも動けるようになったので、父はワープゲートを使って下に降りて行った。

下級魔力回復薬を取ってくるために。

時間を決めて別行動だ。


このワープゲートはLv2のダンジョンから出現するらしい。

5階ごとにあって、その階層ボスを倒すことによって使用が可能になるらしい。

1階にあるワープゲートで階層を選んで飛べるらしい。

一回の攻略で100階まで到達は無理だよね、そうなるとあって当然なのかもしれない。

まぁ……便利だね。



そして魔力回復薬。

父から渡された鞄に入っていた下級魔力回復薬。


この存在をすっかり忘れていた私は、一日の探索を終えると自分の部屋に戻り分解してみることにした。


鞄から下級魔力回復薬を取り出す。


テーブルの上に置くと『分解』 と唱えた。


下級魔力回復薬は薄い銀色というなんとも体に悪そうな色だ。


分解を唱えるとその液体の入っていた試験管は消え、いくつかの物に変わった。


鑑定してみると、下級魔力草、マンドラゴラの花、魔石(中) 、ルクイナの実と表示された。


「えっと……下級魔力草? なんか雑草みたい。 マンドラゴラの花……マンドラゴラ?! ファンタジーでおなじみの花だ!! ……普通のお花みたいだね。 後は魔石……中? 大きさ? あぁ……鞄鞄と……ダークヴァイパーの魔石……も中って出てるね。 と言う事は材料の一つはゲット!! 後はルクイナの実? 山ブドウみたい。 ピンク色で可愛いね」


材料が分かった次の日、ミーリアに尋ねてみると植物ダンジョンにあることが判明した。

そうだよね、下級魔力回復薬が出るならあるよね。


聞いといてなんだけどそう思った。


ルクイナの実は6階から出るらしい。

普通に食べても美味しいらしい。

マンドラゴラは……分からないそうだ。


「マンドラゴラは神出鬼没なんだよネ」


引っこ抜かれては悲鳴を上げて逃走し、地面に潜り逃げるらしい。


マンドラゴラは下級魔力回復薬狩りに行く父に任せ、私は5階の階級ボスを倒し、6階に行くことを当面の目標に定めた。




こちらに来てから2週間が経過した。


私のレベルも順調に上がり、88まで来た。

ミーリアとの特訓のお陰で身体の使い方が分かって来た。

魔物との戦いもある程度慣れちょっと油断していた。


その油断のせいでお守りの効果が発揮される時があった。


……その威力はえげつなかった。


攻撃が当たる瞬間にバチッとした静電気のような衝撃が走り、攻撃してきたダークヴァイパーが光りとなって消えていった。


カウンターのような感じなのかなと思った。

だってすぐさま光となって消えてしまったのからだ。

だからお守りの攻撃がどれくらい強いものなのかは最初は分からなかった。


階を降り、フォレストビーが集団で攻撃してきた時の事。

囲まれてしまって慌てていたら1匹の攻撃に対してカウンターが発生し、相手に向けて連鎖攻撃が発動。

私が攻撃するまでもなく魔物の集団が消えてしまうということがあった。


そのおかげで魔物による攻撃で怪我を負う事は無かった。

私はお守りをつけっぱなしにするのを止めて、ダンジョンから出たら最低限以外はマジックバッグにしまっておくことにした。


下級魔力回復薬はそこそこ集まって来た。

ミーリアと一緒に5階の階級ボスを討伐し、ワープゲートを開放、それからは6階で素材集めを行っている。


フォレストビーの魔石は一つ一つは小さいものの、上位交換で魔石(中) にすることが出来た。

魔石を集める時はフォレストビーの群れに単独で攻撃しお守りのカウンターで一網打尽にしている。

ちまちま攻撃するよりもそれが手っ取り早かったんだもの、小型犬くらいの蜂が集団で襲ってくるのはとても怖いけど……。


下級魔力草も普通の雑草と見分けがつかないけど私には鑑定があるから採取も問題ない。

ミーリアは分かりやすいルクイナの実を集めてくれた。


そんでもってマンドラゴラの花は父が下級魔力回復薬を集めに奔走しているときに時々遭遇するらしく下級魔力回復薬と共に集めてくれた。


後は私が上位交換で中級魔力回復薬にし、さらに本数が一定数貯まったらさらに上位交換で上級魔力回復薬に変えていった。


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