第5話 「運命の出会い」
こうして蛮族の一味は、抵抗する力を削がれると・・・圧倒的なオーラを持つ二人の少年少女の前に平伏し、彼等の元々の目的を忘れてしまったかのようにおとなしくなった・・まだ少年に過ぎないダヴィデと夢見の少女セツラが放つオーラに酔いしれるような不思議な感覚に陥っていたのである。
「我々をあなた様の元で仕えさせて貰えませんか?」
「俺に仕えるだって?
何を言うのだ?俺は、ただの羊飼いであり、何の力も持たないぞ!」
「いいえ!!そのような筈がないでしょう!
ただの羊飼いが何故?夢見の少女を助けようと・・されたのですか?」
「それは・・預言者サムル様から預言を受けていたからだ!!
俺は、彼女を助ける事が運命だったのだ!」
セツラは、野党の縄を外されると
ダヴィデの前に立ち、夢見の預言を語りだした。
◆
「ダヴィデよ!
人は与えられた運命に逆らえないものです。
私が野党に襲われる事も、ダヴィデに出会う事も!!全ては起源の主の計画によるものです。私達はこれから時代の大きな変化に直面する事になります!!
覚悟はできていますか!!」
「俺に恐れはない!!!!
俺が進むべき道は、起源の主が示される!!!
俺はただ信じているのだ!!自分に示された運命を!!」
「とても勇敢なのですね?さすがです!!!
恐れはないのですか?」
「毎日恐れているよ・・・・
でも恐れを乗り越えた先に希望がある事を俺は信じている!!!それに今日はセツラ!!あなたに出会え事が俺にとって最大の幸福だ!」
「私もです!!ダヴィデ!!!
あなたに出会えた事を契機に、アブラハ族は大きな発展を遂げる事になるでしょう!!!」
「セツラ!
夢見の一族は、未来を予知できるというのは本当か?」
「ええ・・本当です。
私は、蛮族の野党が私を捕えに来る事も知っていたし、本当は捕まらないで逃れる道もあったのです・・しかしダヴィデに出会う運命があり、この時を待っていたのです。私が出会うべき運命の人と共に生きるように、起源の主からの強い示しがありました。さぁ!!共に時代を動かしていきましょう。私達なら必ずできるから!!
幸いにもダヴィデの力になる兵士を、今ここに獲得できました!
彼等は、これまで社会の不公平さに嫌気を差し、自らの力を誇示しようと、不釣り合いな群れをつくり、自分勝手な生き方をしてきたようですが、あなたを通して力強い兵士に生まれ変わるでしょう!」
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