第2話

 進軍を続ける私たちに対し、父上から早馬にて連絡があった。

 

 まず、お義父様とうさまが公爵領に入られたとのこと。


 更には、王都に派遣しておる間諜が入手した情報も、もたらされた。オーゼンシュタインは公爵領進駐へ向けて軍勢の準備を進めており、国軍は国境を守る部隊を除いた全軍を公爵領へ振り向ける予定とのこと。軍勢の圧倒的な差を見せつけ、こちらの戦意を喪失させ、早期の降伏の受諾を迫ろうとの考えと想われるとのこと。


 ゆえに私たちが向かっているところの王都を守るは、近衛隊5千のみとのこと。


 加えて、これは最近のことではないがと前置きされた上で――王太子は、武芸の達人4人を抜擢しており、己が身辺護衛を託しておるとのこと。またこの者たちは処刑人も兼ねており、その残忍な処刑の仕方で、恐れられておるという。


 お二人に対して、十分に気をつけよ、成功を祈るとの言葉が記されておった。


 そして、私に対する、どうか前線に赴かないでくれとの嘆願でしめくくられておった。

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