第10話
証言が敵国からの帰付者によるものであれ、王太子がこの件に何も関わっていないとは想えない。
恐らく王太子自身が、これを証言させたのではないか。この者が帰附を申し出た際に、王太子側がそれを許す・許さぬで脅しつけるなり、何とでもやりようがあると想われた。
また父上によれば、現在隣国とは敵対しておることを理由に、王府が、隣国との交易や通行さえ禁じておるとのこと。ゆえに、公爵家に外交ルートのあろうはずもない。
無論のこと、そもそも私は密通しておらぬのだから、敵国の皇子とつながりなどは無い。
反証を得られるつながりは、現在、無かった。
それゆえであろう。
間諜からの急報の翌日のこと。
父上が、その反証を得るために、敵国に急使を送ろうと考えておるが、どう想うか、と私に尋ねてきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます