第12話 王太子の親友たちの来訪5
父上がこの2人で100人を相手にできると言ったのは、誇張ではなかったのだ。実際、伝令が呼びに向かったはずの千人隊は到着していない。それほど短時間で全てが終わっておった。
「あなたって、いけずねえ。半分は残してくれないと。そう約束してなかった? もう、イジワル」
そう低音の裏声が聞こえた。
「お嬢様。おケガはありませんか?」
と女性に聞きまごうほどの高音の声が問うた。
「ひゃ~い」
私にそれ以上の返事はできなかった。ただ次のことは問わずにはいられなかった。
「ほ・・・・・・ほろひたのですは?」
(殺したのですか? と私は聞きたかったのだ。ただそんな発音でも、こちらの意は伝わったらしく)
「はい。公爵様からは既にお許しをいただいております。また我ら2名は、これが何よりエリザベト様の
とチイねえ。
「当たり前ですわ。お嬢様を集団で犯そうとするなんて。女の私から見たら、絶対許せません。もし私を同じ目にあわそうとする者がいたら、やはり殺しますもの」
とゴリねえ。
私は相手を捕らえてくれれば良い。何となく、その程度に想っておったのだが。結局、ことが未遂に終わったからいいものの、実際なされておったら、これほど悲惨なことはない。
そう想うと、父上やお二人の対応の方が正しいのだろう。
それに、もし私に娘がおったら、やはり殺したいほどに相手を憎むだろう。
(実際になされておったら? 私は乙女ゲームの知識があったから、これを防ぐを得た。でもエリザベトなら、防ぎようもない)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます