第2話

 私は手紙とにらめっこして考えていると、ついついしてしまっていた。


 ご飯を食べたら、余計にそうなる。


 夜は夜で、ワインを飲むから、頭は回らない。


 でも、他に考えることがある訳でもなく、またすることがある訳でもないので、こんなでも、何とか少しずつ考えはまとまっていった。


 それに、のほほんとしておられぬ理由もあった。来るのが、よりによって、王太子の親友たちなのである。まさに死亡フラグならぬ、婚約破棄フラグ立ちまくりなんですけど・・・・・・という訳である。

 

 それで・・・・・・これを機会に、この親友たちとそうした関係になるということだろうか?


 これはゲームには無かった。


 そもそもエリザベトの設定が、かなり異なる。


 ゲームでは、まさに社交界の花であり、その美貌のままに、男たちを誘い、いわゆる男女の交わりをなす。王太子の親友たちとの情交は、いわばその必然の結果といえた。


 私が転移したエリザベトとは大違いである。


 ここで恋に落ちるということだろうか?


 なるほど、深窓の乙女なら、それもあり得ることかもしれない。恋愛に不慣れで不器用なゆえにこそ、危険な恋に飛び込んでしまう。いわゆる恋に焦がれて、という奴である。


 ただ、どうしてもに落ちないことがあった。

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