第3話

 私は髪を整えてもらった後、父上との食事に赴く。


 そこにはデレデレの中年の男がおった。


 そうか。ゲーム内では、悪役令嬢のエリザベト・フォン・ハインツは、父上を忌み嫌い、一度として食事に応じなかった。それを想えば、こうなるのも仕方ないか。


 まあ、それは置いておくとして。何はともあれ、食事である。夢の中であれ、私は一食たりとも、おろそかにせぬぞ。その決意も新たにのぞんだのだが。


 パン・・・・・・うーん。固いんですけど。


 牛乳・・・・・・いや、私、おなか弱いんで、牛乳飲むと、すぐXXします。遠慮しときます。


 チョコ・・・・・・おいしい。私は、これが夢であることを幸いに、ひたすらチョコばかり食べる。デレデレの父上が文句の一つも言うはずがない。


(きっとフトンの上で、私はヨダレを垂らしながら、眠っておるのだろう)


 そうして、たらふく食べると。


 まさに満足。満足。

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