第6話
あの後、私は寮に帰らされた。
検査の結果は何もなく、斬られた女の人も意識が戻ったらしい。
ただ、女の人はなんであんなことをしたのか覚えてないと言っていた。赤王様のことは尊敬しているし好きではあるけど、誰かと話していたのを恨むようなことはしないと言っていた。
そして、斬った側の生徒は退学にはならなかった。私と斬られた方も許しているということで自宅謹慎3週間+奉仕作業。
加担した人たちも奉仕作業を命じられて事はすべて終わった。
「はぁ……」
災難だった。
なんで私がこんな目に巻き込まれるんだと恨み言を言いながら部屋に戻ると。
「にゃはは。なんもなーい!」
「……どなた様で?」
「あ、黒刄ちゃん帰ってきちゃったぁ」
「まだ授業中ですよね?」
「体調不良じゃない?」
3人の男女が私の部屋に居座っていた。
「初めまして。勝手に部屋に入って申し訳ありません。私、仙神学園十将、第五将の
「同じく十将第十席、
「第三席、
「十将……」
この仙神学園でもトップの強さを誇るのが十将だという。
十将は権力を与えられる代わりに、他の生徒よりも危険地に赴く依頼が多くなる。この学校でも最強のトップ10ということ。
「十将の方が私に何のようですか?」
「の前に〜、サボるのは感心しないなぁ。まだ授業中でしょ? 入学早々サボるなんて見た目に反して不真面目だねぇ」
「今日は帰らされたんです。先ほど少し厄介ごとに巻き込まれまして」
「あ、そうなの? ごめんね憶測で物言って」
「それで……。あの、流石に室内なので土足は……」
「あはは。窓から侵入したからさ。ごめんごめん」
「掃除するの私なんですけど……」
「掃除は俺らがします」
そういって、土埃を箒ではき、塵取りで集め窓から投げ捨てていた。
3人は靴を脱ぎ、手で持って話し始める。
「単刀直入に要件だけいおーか! 黒刄ちゃん、十将入り、おめでとう」
「……はい?」
「十将第四席! 君の強さならそれくらいあるよ! と言いたいけど手合わせした事ないからぶっちゃけわかんないんだよねー。って事で、今から手合わせしよ?」
「えっと」
「俺らは十将に入れることを報告しにきただけです。一年生で、しかも入学して早々に入るとは相当ですね」
ということだった。
十将入り……? 入学してそこまで経っていないのに……?
私は驚きのあまり固まってしまう。
「たしかに赤王君が言っていた通り強そうですね。入学生でここまで強い子は見たことがありませんね」
「うぅ、私でさえ2年になってやっと三席なのにぃ……」
「流石、黒刄家の最高傑作だねぇ。俺らはただそれを言いにきただけ! ここに長居したらうるさいのにバレるから早めに退散! じゃね!」
「というわけなので、このバッジを。これが十将の証となります」
「今度戦おーね!」
そういって、三人は出て行ったのだった。
あ、嵐のような人たちだ。
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