第2話 日々
学校に着くだけで今日一日頑張った気になれる。
壊「もう帰りたい…」
机に突っ伏してそう言うと。
「コラ!そんな事言っちゃダメ!」
壊「なんだ、いたのか
佳穂「いたのか、じゃないよ!そんなにぐうたらになって。」
壊「別に良いじゃないか、俺は勉強できないわけじゃないし。」
佳穂「そういう問題じゃないの!偶には一緒に喋ったりとかしたいし…」ボソボソ
突然言い淀んだりと忙しそうな女である。
佳穂「と、取り敢えず、ええと…やっぱりなんでもない!!」ピュー
壊「わけがわからん。」
いきなり来たと思えばどっか行ったり、何がしたいのだ。
「よっ!壊。」
壊「おお!
御堂「なんだ?また佳穂ちゃんとお喋りしてたのか?良いね〜かわいい幼なじみがいるって!」
こいつは
金髪で校則無視の服装とかいうチャラ男剥き出しの男でヤリチンと言うやつだが、俺は気に入ってる。こいつは馬鹿というか欲望に素直なやつだ。校内でいい噂は流れていないし、セフレが沢山いたりとするが、俺はこいつのその生き方を存外気に入っている。
何かに縛られず、好き勝手に生きてる様に好感を持っている。勿論やっていることは褒められたことではないが、別に嫌う理由にはならなかった。
壊「そんなんじゃねぇさ。それ言い出したらお前もこの週末いい女食ってくるんだろ?」
蓮「まあな〜?というか今日も行くけど。そうだ!お前も来いよ!」
会話は最低だが、なんというか変に遠慮しなくて良いのが心地良い。他のやつとは距離感だのなんだの気にしていなきゃきけないのがかえって面倒なのだ。
壊「いや、今日は良いや。また今度。」
蓮「そうか、残念だな。でも楽だろ?お前恋愛とかそういうのめんどくさそうだからワンナイトは気に入ると思ってたぜ。」
ここだ、俺がこいつに好感を持っているのは。欲望に忠実だからか、こいつは人の本質を見る能力にたけている。だからこそ、ナンパでイケる女とイケない女の見分けがつくのだろう。あるいは逆にその経験から培われたのか…
何にせよ俺は恋愛というのが無理な体になってしまった。
互いの事を信じ合うだとか、愛は美しいだとかそういうのに反吐が出そうになってしまう。
特に互いを探り合うような事はウンザリなのだ。
だから、時々こいつについていっておこぼれを貰ったりすることがある。実は先週も一人持ち帰りした。
と言ってもそれ以降、連絡は全く取ってないし取る気も無い。一度きりだから相手の事なんて知らなくて良いし向こうもこちらのことは興味が無い。
互いに深入りしないから楽である。時々連絡先を交換させられて連絡を入れてくる奴が居るが、大概無視してる。
後、彼氏持ちには絶対に手を出さない。面倒だし。
壊(世界中が蓮のように単純だったらどれだけ楽なことか。)
話をしている俺達を一人の人間がじっと見ていた。
放課後
佳穂「ねえ、壊君…やっぱり御堂君と一緒にいるの辞めたら?」
帰り道、蓮は駅前でナンパしにいくために別れた。
その後、こいつは後をつけていたのか突然声を掛けてきて俺に言ってきた。
壊「なんだ…突然。」
佳穂「だって、御堂君いい話あんまり聞かないよ…校内でも沢山…その、エッチする友達いるって聞くしそのせいで壊君のこともあんまり良く思われてないよ。」
確かに俺も御堂とつるむ為に俺も影で色々言われているのは知っている。
因みに俺は校内ではセフレを持っていない。話が広がると色々面倒だからだ。
壊「で、それがお前に関係あるのか。」
佳穂「心配なの。その壊君が辛いと思って…」
壊「ご心配どうも、俺は気にしてないから。」
佳穂「そ、そうじゃなくて!その…御堂君といるのはやっぱり危ないよ!危ないことしてるって聞くし良い人じゃないよ。」
…相変わらずこいつは中身のないことしか言わない。
結局は平行線の会話だ。俺はつるむのを辞める気は無いと伝えている。こいつは俺に辞めろとしか言わない。
壊「言いたいことはそれで終わりか?お前はそればっかりだな、辞めて一体俺にどうして欲しい、俺に独りになれってか?」
佳穂「そ、そうじゃなくて…私は。」
壊「なんだ?言ってみろよ。」
佳穂「…もう良いよ、好きにすれば!」
そう言ってまたどっかに行く。
こいつとの会話は本当に疲れる。何を考えているのかまるでわからない。だから俺はこいつに興味がない。昔はそうでは無かったんだろうが、今となっては重要な時に本音を言わないこいつとの会話に心底イライラする。
壊(いっそのこと破壊するか?)
そんな事を考えていると。携帯が鳴っているので見ると蓮からメールが来ていた。
内容は『今日は収穫ねえよ〜😭それと美味そうなラーメン屋見つけたんだ!今から一緒に食べに行きたいから行こうぜ!慰めてくれよ〜。』
どうやら今日は収穫はなかったようである。御堂は正直に何がしたいか伝えるから不快感を感じないのがやはり良い。ラーメンを食べても俺は味は分からないがこいつとの会話が楽しいのは俺には分かる。
『どこだ?すぐ行く。』
そう送って、俺は方向を変える。
_________________________________________________
少し補足
壊は一年前に異世界転移させられる。
帰還しても、現代側では時間は経っていない設定です。
この作品が少しでも良いと感じたらフォローまたは評価、レビューお願い致します。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます