第21話つづき

 カオス星でモンスター狩りを再開しようか。そう思ったのはグータラ生活1か月が過ぎた頃だった。

 食っちゃあ寝。食っちゃあ寝の繰り返しで体重は10キロ増加。それもそのはず日本食を写真スキルで取りそれを、物質化して取り出しそれを食べて寝るだけの生活。美味い物を食べて寝る。こんな幸せな生活はないだろう。しかしそれだけだと本当にこのままでは堕落してしまうのではないかと本格的に自覚し始めたからである。

 日本では働かざる者食うべからずということわざがあったが、働かなくても食べていける俺だから、それはそれでよいのだが、精神的に堕落し始めるといろいろと思考も堕落してしまい、墜落してしまうのではないかと、考え始めたからである。

 洞窟から外へと出ると日のまぶしい光が俺の目に飛び込み俺は目を細めた。

「美しい」

 本心から出た言葉だった。

 洞窟外の景色は朝の光が巨木の隙間から差し込みキラキラと輝き、鳥は鳴き自然のオーケストラを奏でていた。澄んだ空気と、近場の川の音はエフ分の一の揺らぎとかいうのでリラックス効果をもたらし、そっとなでるやさしい風と冷たい空気を鼻から吸い込み肺に取り込むと、新たに目覚めた気分で体もまたどこか喜んでいるように感じた。

「さて、モンスター狩りと行きますか」

 洞窟内で新たなスキルを練るつもりだったが、食べる事に夢中になり一つも結局思い浮かばなかったので猛反省することにして、気を引き締めてモンスター狩りを始める事にした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る