第20話つづき

 とりあえずは丸一日寝てぐーたら生活をしてみよう。

 何も考えずにのんびり過ごす時間は良いものだ。しかし洞窟ないだからなのか、声は反響して一人孤独感が出てさみしい。

「よし、また日本に行こう」

 お金を作り出すスキルはやめて、日雇いで働くことにした。

「汗を流すのは良いことだ」

 お金を受け取って、ビジネスホテルで泊まろう。しかし住所を書かなければいけないのもあってどうしようか考えた。そこで作り出したのが住民票スキルである。それでそれを使って、金を払ってビジネスホテルに泊まった。朝はバイキングである。

「うん、うまい」

 というかカオス世界で生まれたのに日本に戻ってきちゃったよ。

 俺は前世の日本の母親に会うことにした。

「ただいま」

「誰っ? 不審者!?」

 俺はかくかくこういうわけでほかの世界に生まれ変わったんだと前世の母親に告げた。

「うそよ。信じられないわ」

 しかし俺は前世で自分と母親しかしらない共有している秘密を話すと少し信じた。だが、まだどこか疑っているようだった。だからすべて覚えている思い出を話すと、母親は涙を流した。

「本当に生まれ変わったのね。よかったわ」

 母親は嗚咽を漏らしながら言った。

「ちょくちょく帰ってくるから」

「それならば嬉しいわ。ご飯を作って待っているわね」

 俺は母親に自分が不老不死であることを話した。

「凄いわね。いいわね。あなたは」

「母さんも、不老不死になりたい?」

「えっ? 可能なの?」

「まあ、俺のスキルで不老不死を与える能力を作ればね」

「まあ、母さんも死にたくないわ。父さんもね」

 母親は父親を連れてきた。ついでに弟も妹も姉も兄も。

 母親は俺が別世界で生まれたことや不老不死であることをはなした。最初は疑っていたが、思い出の数々や俺の能力を見せたら皆最後には信じた。

 前世での俺の家族の全員が不老不死を望んだので、俺はスキルでそれを使い、家族全員を不老不死にした。

「俺たち家族は、カオス世界にいくつもりはないけど、スキルのアイデアは何か思いついたらお前に伝えるよ。俺たちは家族だろ」

 兄の言葉にうれしくて感動した。

「そうだ、兄ちゃん。未来予知スキルってのはどう」

 弟の言葉をもとに未来予知スキルを作り、宝くじで6億円の当選を果たした。いやこれ俺を利用しているだけだろ。まあ、別にいいけど、俺はとりあえず5000万円だけ受け取った。未来予知スキルで競馬とか競輪とか無限に金は入るけどそれは使い切ってからでよいか。

「じゃあ、またカオスに戻るよ」

「じゃあねー」

 家族総出でのお見送り。

 俺は再びカオス星へと戻った。

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