第16話けはい

 モンスターの気配を感じなくなったので、大人の変身を解く。

 再び赤ちゃんに戻った。大人になっている時点でスキルを使い続ける事になるので、体力が減るのだ。

 そこで、スキルポイントが減らないスキルを作成した。そしてそれを使えば無限にスキルを使い続ける事が出来るから、基本は赤ちゃんだったのだが大人のまま固定をし続けることも可能になった。

 その時の状況に応じて変身すればよいか。と思った。

 とりあえずは近辺を散策しようと思った。猫に変身して散策しようかと思ったがこのカオス世界で見回した限り猫らしき生物はいない。当然といえば当然かもしれない。猫は地球の生き物なのだから。だからまずはこの世界でどんな動物がいるのかを子供の姿で探してみることにした。

 子供に変身した。新たなスキル物質化を作りだし、自分が知っている物を物質化するスキルを手に入れ、そのスキルで鏡を作り出した。

 鏡で自分の姿を見てみる。金髪で頭に二つ均等に角が生えている。

「ええっ、鬼なのか?」

 ちょっと嫌だったので、調べてみた。この世界の知識とつながる事の出来るスキルを作成して。その結果、まれに角が生えた赤ん坊が生まれるとの事でそれは魔族と人間との子供の関係だそうである。つまり俺は魔族と人間の子供なのか。そして捨てられたのか。親にあるいは反対され、強制的に親の意思とは関係なく。

 まあ、それは良いか。とりあえず散策を第一だな。

 俺は試しにそのままの姿で歩いてみる事にした。すると「キャー」と叫び声をあげて俺から逃げる女達が目に入った。そして連れの男が俺に向かって石を投げてきた。

「悪魔の子め! 消えろ!!」

 石は幸い俺にあたることはなかったが、なるほどそういう立場なのか俺はと納得した。

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