第9話二日目続き。

「あなたは、あなたの願いが私を呼び寄せました」

「あなたは本当に女神なのですか?」

「ええ、エリア50から来ました」

 エリア51はUFO研究とかの極秘施設で聞いた事があるが、エリア50は耳にした事がなかった。

「エリア50はどこなのですか?」

「正式名称はパエリア50です。スペインの女神です」

 そうなのか、と男は思ったがそれよりも聞きたいことがあった。

「俺の願いとは……もしかして今しがた願った寿命を延ばしてほしいという件ですか」

「ええ、その件です」

「やったぜ」

「あなたの寿命は伸ばします、永遠です。しかしそれはちゃんとご飯を食べたりした場合のみです。飯を食わなかったら腹は減り、餓死するのは今までと変わりませんし、大けがをした場合も死ぬのは変わりません。病気とかにも普通にかかります。老化を防いだだけです」

「老化も病気として考えてはくれませんか」

「しょうがありませんね。病気にもかからないようにします。特別ですよ」

 こうして男は病気に一生かからないし、年も取らない男になったのであった。

 エリア50に住む女神はにこりと笑って泡のように消えてしまった。

 消えた後、男は女神の顔を思い出そうとした。しかし、女神の容姿に関する記憶が消されたのかあるいは、ただの記憶障害なのかは分からないが思い出すことはついぞできなかった。ただ女だったという事だけが海馬に刻み込まれていた。

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