第4話ブラック企業の正体
初勤務翌日、朝から夕方まで働き現場から戻って来ると、事務所で係長から、
「おっ、羽弦、今から夜勤だ」
と、言われアルミインゴットの船に乗ってアインゴットの数を数えた。
仕事が終わったのは翌朝の10時であった。ヘトヘトになり、帰宅した。
驚いたのは、夜勤あがり事務所で書類整理していても、誰も、
『夜勤、お疲れ様』とか、声を掛けない事だ。
それどころか、
「夜勤明けでいいなぁ。オレ達、今から仕事だよっ」
だって。バカじゃないのか?
昼から、寿司屋で腹ごしらえと寝酒を飲んで翌日に備えた。
朝、会社に行くと自分の名札が、『休日』になっている。
夜勤明けの翌日は休みなのだ。
しかし、誰も教えてくれない。
ぶつぶつ言いながら、帰宅して朝からビールを飲んだ。
貿易会社だから、書類は英語だ。筆記体は使ってはいけない。ブロック体で書かなくてはいけないが、メモ帳には筆記体で書いていた。それを見た先輩は、
「ブロック体でメモ取れよ!」
と、言って頭をヘルメットで殴った。
コイツ嫌い。
バカなくせに、立場の上や反抗しそうな後輩には威張れない。
コイツ、係長になるとストレスで痔になり1ヶ月入院したクセに。
僕と同期のヤツは入社して、1ヶ月後に胃潰瘍になり、退職した。
1人取り残された僕は、イジメの標的になり毎日毎日、バカにされ罵声、暴力を受けても僕はコイツらより上になってやると言う目標を持ち耐えた。
一年間耐えた。耐えたら、早くも現場監督になった。
後輩も出来た。週に2日は会社に寝泊まりした。
英会話の出来ない先輩より、上になれた。
給料も、厭な係長は僕には査定を一回も付けなかったが、満足な金額を貰えた。
そして、僕を標的にイジメていた課長、係長は地方に飛ばされ、僕の時代が来たのである。
その時の話しはまた、いつか。
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